top_line

【完全無料で遊べるミニゲーム】
サクサク消せる爽快パズル「ガーデンテイルズ」

中日にトレード移籍の涌井秀章 初のセ・リーグで「2ケタ勝利狙える」の声が

週刊ベースボールONLINE

大きなプラスアルファ



楽天から中日へ電撃トレードとなった涌井

 涌井秀章が楽天からトレードで中日に電撃移籍したことは、野球ファンの間で大きな衝撃を呼んだ。交換相手は攻守の中心選手だった阿部寿樹。中日はチーム再建へ、出血覚悟のトレードを断行した。

 阿部が抜けた打線に不安が残るが、投手陣にとっては大きなプラスアルファになるだろう。涌井は西武で2度、ロッテ、楽天で1度ずつと、3球団で最多勝のタイトルを計4度獲得している。新天地で結果を残すことは難易度が高い。プロ野球の長い歴史で、3球団で最多勝を獲得した選手は涌井のみという事実がそのすごさを物語っている。

 2019年オフに金銭トレードで楽天に移籍したが、このときもすぐに結果を残している。移籍1年目の春季キャンプ。小山伸一郎投手コーチが現役時代に投げていたシンカーを習得したことで、投球の幅が広がった。新型コロナウイルスの影響で120試合制となった20年のシーズンで、開幕8連勝を飾るなど11勝4敗の好成績を残し、3度目の最多勝を獲得した。


かつては西武[写真]、ロッテでプレーした涌井

 当時野球評論家だった立浪和義監督はシーズン中に週刊ベースボールのコラムで、「移籍1年目の涌井秀章選手が8勝無敗。これは大きいですね。彼がいることで、多少連敗があっても『涌井選手が投げたら勝てる』という安心感があると思います。則本昂大選手は少し安定感がありませんでしたが、ようやく4勝3敗と勝ち越しました。これも涌井選手の存在がなければ、不振時に必要以上に自身に重圧をかけ、もっと焦っていたはずです」と涌井の働きぶりを高く評価していた。

衰えは見られない36歳右腕


 今季は10試合登板で4勝3敗、防御率3.54。5月18日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、中村奨吾の打球を受けて右手中指を骨折し、約4カ月間長期離脱したのが大きく響いたが、36歳右腕に衰えは見られない。復帰登板となった9月8日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で6回3安打2失点と試合をきっちりつくり、4勝目をマーク。内外角に投げ分ける140キロ台後半の直球は球速以上のキレがあり、カットボール、スライダー、シンカー、カーブと多彩な変化球を織り交ぜて凡打の山を築いた。

若手投手の良きお手本


 涌井の加入で、中日の投手陣が球界トップクラスに引き上げられる可能性がある。大野雄大、柳裕也の左右のダブルエースに加え、小笠原慎之介もプロ7年目で自身初の2ケタ勝利をマーク。プロ2年目の高橋宏斗も大きく進化を遂げ、19試合登板で6勝をマーク。常時150キロ以上を超える直球に落差の鋭いフォークで三振奪取能力が高く、球界を代表するエースになる可能性を秘めている。

 FA権を行使せず残留を決断した左腕・松葉貴大もゲームメーク能力が高いが、先発ローテの六番手がなかなか固まらなかった。

 スポーツ紙デスクは、「涌井は結果を残しても貪欲で、とにかくよく走る。冷静沈着なマウンドさばき、投球術だけでなく、野球に向き合うストイックな姿勢は若手投手の良きお手本になる。本拠地が広いバンテリンドームは投手有利と言われています。打線の兼ね合いもありますが、2ケタ勝利は十分に狙える」と期待を込める。

 プロ19年目の来季は初めてセ・リーグの球団でプレーする。心機一転、モチベーションも高いだろう。通算154勝右腕の新たな挑戦が始まる。

写真=BBM
 
   

ランキング(スポーツ)

ジャンル