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17安打の猛攻で快勝も「連覇を言えるレベルにない」どん欲に成長を求める大阪桐蔭・西谷浩一監督

週刊ベースボールONLINE

「端々に弱さが見えたゲーム」



大阪桐蔭高・西谷監督の勝負への執念は相当である

 第53回明治神宮野球大会は11月18日に開幕。開幕試合に登場した大阪桐蔭高は東邦高との1回戦を、9対1で勝利した。

 17安打の猛攻。

 誰の目にも、大阪桐蔭高の快勝は明らかだった。相手は今秋の東海大会王者。左腕エースの主将・前田悠伍(2年)は8安打を浴びながらも8回1失点と、要所をしっかり抑えた。116球。1四球とテンポが抜群であった。

 大阪桐蔭高・西谷浩一監督は試合後「どちらに転んでもおかしくない。端々に弱さが見えたゲーム」と、厳しい表情で振り返った。

 新チームは大阪大会、近畿大会で優勝し、神宮に乗り込んできた。昨年に続く連覇がかかる大会だが、西谷監督は「正直、連覇を言えるレベルにない。そういう話ができるように頑張ります」と、慎重に言葉を選んだ。

 現在のレベルを指揮官は「発展途上の中の発展途上」と評価し、今大会を「勉強です」と位置付ける。どんなに周囲が評価しても謙遜し、控えめに語るのは、今年に限った話ではない。この時期は毎年、手綱を引き締める。3年生の代の夏の大会が終わるまで不変のスタンスであり、そこまでは常に成長を求める。こうしたどん欲さが、大阪桐蔭高の原動力だ。

 この日の「勉強」の場における反省で、最も驚いたのは「イニング間のボール回しで弱さが出た」と西谷監督。求める次元が、あまりに高度過ぎる。指揮官は、一瞬のスキも見逃さない。「微差」こそが「大差」になることを、肝に銘じている。これが春4度、夏4度の甲子園を制した名将の勝負への執念なのだ。

 いつも「優勝」を山にたとえる西谷監督にとって「秋日本一」まであと3勝。初戦突破を遂げ、ようやく登山口を通過したばかりだ。

文=岡本朋祐 写真=菅原淳
 
   

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