「『ブラボー! 進化したよ!』と声を掛けると、“やったぞ!”と、小さいころによく見せた、照れくさそうだけれども、ちょっと得意げなかわいい表情をしていました」
都築さんは会場で羽生の家族にも挨拶をしようとしたというが、
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「公演前に楽屋口に回ったんですが会えませんでした。本人もご家族も準備でバタバタしていたのでしょう。90分休みなしのワンマンショーは、大変だったと思います」
大成功でスタートした羽生の第二の人生を、都築さんはこう見る。
「今回のショーもご両親やお姉さんが来て支えていらっしゃったんだと思いますが、これまでも家族が羽生を支えてきました。でも、プロになったこれからは羽生が家族を支えていく部分もあるんじゃないかと思います。
彼は家族の深い愛情を受けて育っていますから、ご両親への感謝の気持ちをいろいろなかたちで表していくんじゃないかな。今回のショーは、彼の“ひとり立ちの瞬間”でもあったのかもしれませんね」
本誌は羽生の“母離れ”を思わせる瞬間を目撃している。ショー初日の4日に羽生が会場入りする際、母親らしき女性と別々の車で現れたのだ。常に羽生に付き添ってきた母親とわざわざ別の車に乗るのは珍しい。“自立心”の表れなのか。フィギュア関係者は言う。
「ご家族のなかでも羽生さんとお母さんの絆は強い。17歳でカナダに拠点を移したとき、お母さんも一緒に行って、身の回りのサポートをし続けました。プロになったいま、お母さんに楽をさせたいという気持ちはあるかもしれません」
5日の夕方、公演を終えて仙台へ帰る羽生の姿が東京駅にあった。イベント関係者によれば「羽生さんは遠方でも家族の運転で車移動をすることが多い」というから、新幹線移動も、母らの負担を減らすための選択なのかもしれない。
東京駅を歩く羽生のそばには母の姿もあったが、先に歩を進める羽生は、以前より胸板が厚くたくましく見えた。まるで家族を引っ張る覚悟を示しているようにーー。