top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

アメリカの今の犯罪率がこのまま続けば179人にひとりが殺害されることになる

カラパイア


 死亡証明書のデータに基づいて、2021年の殺人数を調査した研究によると、犯罪率の水準がこのまま続くようなら、アメリカ人の179人にひとりが殺されることになるという。
もし、あなたがこれから先もアメリカに住んで一生を過ごすつもりなら、殺人によって命を落とす確率は、179分の1ということになります。

つまり、自然死や事故死、自殺などであなたの命が尽きる前に、あなたの命が誰かに奪われる可能性ということです
 非営利の研究機関「ジャスト・ファクツ」の設立者のひとりで、この研究の著者であるジム・アグレスティは言う。

正確性に乏しいアメリカの殺人数を徹底調査

 「ジャスト・ファクツ」は、2021年に殺人事件の犠牲者の数を調査する大規模なプロジェクトを実施した。

 報道機関や専門家が、FBIが新たに発表したこの年の殺人数のデータが不完全で、単なる推定に基づくものであるため、確定的な数字ではないと、数週間にわたって報道したためだ。

 アメリカは、2020年に暴力犯罪に悩まされた。殺人事件は前年に比べて30%近く急増し、当局の犯罪捜査始まって以来最悪の、年間最大の増加を記録した。

 専門家による警察への資金提供停止の呼びかけ、暴動の多発、ファーガソン効果(2014年のファーガソン暴動以降、暴力犯罪と社会不安の中で、警察の犯罪抑止力が後退すること)、2020年の流血惨事の原因となったコロナパンデミックなど、社会が混乱した。

photo by iStock

 2021年の始め、FBIは全米事件ベースレポートシステム(NIBRS)という新たな記録プログラムにシステムを切り替えた。

 これは、事件で使用された武器、盗まれた財産の種類、被害者と犯人に関するより詳細な人口統計情報など、より完全な犯罪の断片を提供することを目的としている。

 だが、全国の警察署の40%近くが、今年3月の締め切りまでに2021年の完全な犯罪データをFBIに提出しなかった。

 FBIは、2021年に殺害された人は、2万1300人から2万4600人の間と推定しているが、そのデータは報告書では反映されなかったと、ジャスト・ファクツは研究の中で述べている

photo by iStock

犯罪データが全てFBIに提出されているわけではなかった

 ケーブルテレビ局「NewsNation」など一部の報道機関は、殺人件数は1万4677人と大幅に減少したと報道していて、殺人事件が減少傾向にある証拠だとしている。

 だが、ジャスト・ファクツは、FBIが発表した数字は、2021年の実際の殺人数を完全には把握していないと指摘している。

 1万4677人という数字は、全米1万8806の法執行機関のうち、FBIに犯罪データを実際に提出した1万1794機関のものにすぎないことが断わり書きとして添えられ、殺害人数の減少は、この取り組みに参加した機関が全体的に減ったためと指摘されている。

 それでは、2021年の殺害人数1万4677人というえらく低い数字は、どこから出てきたのだろう? それは、比較的アクセスしやすい、FBIの犯罪データエクスプローラーのサイトからだという。

 NewsNationの記事を書いた記者は、主要都市首長協会のデータを使用し、その報告書でFBIのデータが不完全であることにも言及している、と指摘している。

 反映されなかったFBIのデータは、殺害された人の数2万1300人から2万4600人の間の推定値を示すべつのデータセットだったと、と研究は示している。

photo by iStock

死亡証明書から殺人数を割り出し

 ジャスト・ファクツのアグレスティらのチームは、死亡証明書を調べ、FBIの見積りや不完全な数字とは別の、具体的な数字を見つけた。

 これはわずか数年前まで司法省でさえ宣伝していたやり方だ。

 FBIを管轄する司法省が2014年に発表した研究では、出生証明書と死亡証明書のデータに依存する疾病管理予防センター(CDC)の全米人口動態システムは、多くの理由で、FBIの補足的な殺人報告書よりも、全国レベルでのより正確な殺人傾向を提供していることを強調している。

 2014年の研究は、全国レベルの死亡証明書は、警察署が自発的にデータを提出するFBIのシステムとは対照的に、提出が強制的であることを指摘している。

 死亡証明書には、連邦管轄区で発生した殺人や、意図的な車の衝突事故による殺人も含まれるが、このカテゴリーはだいたい、年間100人未満の死亡が報告されている。

photo by iStock

2021年の殺人死亡者数は2万4493人

 ジャスト・ファクツは、CDCから入手した2021年の死亡証明書データを調べて、この年には2万4493人が殺害されたと判断することができた。

 この数字は、殺人だと定義されない民間人による正当防衛殺人や、警察による死刑などの正当殺人、誤ったケースの平均値を調整した上で決定された。

 何十年もの間、FBIは殺人数を実際よりも少なくカウントしてきたが、一方で死亡証明書は多めに数えてきた。

 まずは、死亡証明書のデータを調べることから始め、正当殺人を除外することで、より信頼性の高い殺人数の見積りが出る、とジャスト・ファクツは結論づけている。

今の犯罪率のままならアメリカ人179人にひとりが殺されることになる

 ジャスト・ファクツはその後、2021年の流血惨事のスケール感を提供することができ、このままでは、最終的にアメリカ人179人にひとりが殺されることになるという結論を導き出した。

 この数字はかなり衝撃的だが、ジャスト・ファクツはこれが厳しい現実だという。
一生のうちに殺人にみまわれる可能性を示したこの数字は、非常にショッキングだったため、ジャスト・ファクツに、それは間違いだというメールを繰り返し送った人もいた。

しかし、ジャスト・ファクツがこの数字を計算するために使った方法論は、ライセンスをもつ保険計理人によって開発され、博士号をもつ数学者によってダブルチェックされ、同じく博士号をもつ生物統計学者によって、トリプルチェックされたものなのだ
 なお、FBIにこの調査に関するコメントを求めたが、レスはなかったという。

References:One out of every 179 Americans will eventually be murdered if crime rate continues: study / written by konohazuku / edited by / parumo

TOPICS

ランキング(動画)

ジャンル