雄大な白銀の大パノラマを一望しながら、高速で斜面を滑り降りる――そんなパラアルペンスキーの世界でパラリンピックの金メダルを3個獲得しているのが狩野亮選手です。プライベートでも自然の中で過ごすことが大好きだという狩野選手。「キャンプが趣味」という噂を聞きつけた編集部は、北海道の人気スポットで自然を満喫する金メダリストのキャンプに潜入! 車いすアスリートのリフレッシュ方法を覗いてきました!
狩野 亮(かのう・あきら)|アルペンスキー
アルペンスキーで5大会連続パラリンピックに出場。2010年のバンクーバー冬季大会(スーパー大回転)、2014年のソチ冬季大会(滑降・スーパー大回転)金メダリスト。2022-23シーズンより日本代表を退き、楽しみでスキーを続けながら、競技の普及活動に邁進する。
――北海道の有名な観光地としても知られる支笏湖畔。美笛キャンプ場はロケーションが最高なキャンプ場ですね。キャンプにはよく行くのですか?
狩野亮選手(以下、狩野):以前は、毎年2回くらいキャンプをしていましたね。でも、約3年前に子どもが生まれてからはお休みしていたので、今回が久しぶりです。

――アルペンスキーは自然を相手にするスポーツですが、狩野選手はシーズンオフも自然の中で過ごすのがお好きなんですね。
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狩野:はい。僕は北海道網走市出身なんですが、実家には釣り竿もあって、知床で釣りをしたりもします。子どもの頃からアウトドア派ですね。自然の中って自由を感じますけど、車いす生活だとよりそれを感じられるんじゃないかな。

――さすがは海外を転戦してきたパラスキーヤー! アクティブですね。とはいえ、日本のキャンプ場とか観光地とかで、車いすユーザーに遭遇する機会ってまだまだ少ないような……。
狩野:確かに、僕もキャンプ場で車いすユーザーを見かけることはめったにないかな。競技でさまざまな国に行って学んだことなんですが、時と場合によっては人の手を借りるといいと思うんです。例えば釣りでボートに乗るときは、人の手を借りなきゃ乗れませんから。

――キャンプ歴は長いんですか?
狩野:幼い頃は、両親と兄、それから近所の人とキャンプに行きましたね。僕は小学3年生で事故に遭い、小学5年生でチェアスキーに出会って、その後の約18年、海外を転戦する生活。しばらくキャンプからは離れていましたが、スキーでニュージーランドに行ったときに、ワーキングホリデー中だった妻のみどりと出会いました。妻も1歳から登山をしていたというほどの山好きで。それがきっかけでキャンプを再開したんです。
――印象に残っているキャンプを教えてください!
