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「遺産は残さん!」…「父さんとは縁を切りたい」という息子に向け、父が遺言書を書いたワケ

幻冬舎ゴールドオンライン

予期せぬ別れに直面したとき、人は何を思い、どう乗り越えるのか。書籍『もう会えないとわかっていたなら』(扶桑社)では、遺品整理会社、行政書士、相続診断士、税理士など、現場の第一線で活躍する専門家たちから、実際に大切な家族を失った人の印象深いエピソードを集め、「円満な相続」を迎えるために何ができるのかについて紹介されています。本連載では、その中から特に印象的な話を一部抜粋してご紹介します。

遺言書を書くきっかけとなった息子の一言

初めて司法書士の先生の事務所に行ったとき、私はとにかく怒っていました。

怒りの原因は長男の太一です。八〇歳を超えた自分と五〇代半ばの長男との親子喧嘩だと言えば、世間の人は笑うかもしれません。娘には「お父さん、血圧が上がるだけだよ」とたしなめられました。

それでも、我慢できないことがあるのです。

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太一が社長を務めている会社は、もともとは私が起こしました。二〇年以上前に社長の座を譲っているといっても、会社で使っている機材は私が借金をして購入し、私の代で返済を済ませたものばかりなのです。

太一が結婚をして新居を構えたときだって、お祝いのつもりで購入資金を全額出しました。それなのに、あの言いぐさはなんなのでしょう。

「親父とは親子の縁を切りたい」

私と揉めるたび、太一はそう口にするのです。悔しくて悔しくて、もう五〇年以上続けている日記には毎日のように「悔しい」という言葉を綴っていました。

「あんなやつに遺産は残してやらん!」

先生に会うなり、私は開口一番そう伝えました。

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