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【闘病記】怪物や恐竜ではない…「実在の人たちに殺される」幻覚との戦い

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、市川友子氏の書籍『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

【前回の記事を読む】「幻覚が見える」闘病の中での思わぬ試練〈せん妄〉の過酷な症状

第2章 せん妄との闘い

幻覚と現実の交差

次は4人部屋で目覚めた。私は廊下側のベッドで、その向かいの窓側の患者が亡くなったらしい。私はその人を見ていないが老人と直感していた。ベッドの脇に案山子のような人形が立っていて、看護師さんが老人の服を着替えさせていた。その時聞こえてきた物悲しい音楽を、私は葬送の曲だと思った。

すると突然2人の男性がベッドを持ち上げ、その老人をベッドごと窓から放り投げたのだ、驚いて次は私の番だと覚悟した。ちなみに私はmRSレベルは死亡の手前の状態ではあったが、決して危篤というわけではなかった。

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目を開けるたびに違う病室にいると思い込んでいたが、娘や看護師さんは私の病室はずっと変わっていないと言った。唯一動く首を左右に振りながら、病室が違う証拠を掴もうと躍起になった。窓からは土手が見えて(実際には土手はなかった)、なぜか自動車が窓に立てかけられていた。

病室の天井の隙間から、ずっと私を見張っている医師がいた。これはせん妄によく見られる幻覚らしい。夢は目覚めた時には忘れることも多いが、私はせん妄で見た幻覚を不思議なことによく覚えている。ただ時系列となると、めちゃくちゃと言ったほうがいい。

幻聴が激しい時もあった。隣の部屋で揉めている声で目が覚めた。医師と看護師が10人ほどで輪になって立っていて、その中心で院長が話していた。隣の部屋の様子が見えるわけがないが、声もはっきり聞こえた。体の機能が停止したから、その分聴力が発達したと私は本気で思っていた。超能力者になった気分だった。

私がまずいことを目撃したらしく、院長は私を殺そうと言っていた。殺しに反対する人たちもいる。そのうちに揉み合いになり、私の担当医が殴られて目の周りに真っ青な痣を作っていた。実にきれいな青だった。

次に目覚めた時、担当医が来たのだが、痣はない。

「痣はどうしたんですか?」

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