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「本物や一流を体験させる」が子どもたちにもたらす効果とは

パラサポWEB

子どもたちは、セイコーが用意したオリンピックなどの世界大会で使用される機材を使って短距離のタイムを測定。その後、福島さんのアドバイスを受けて再度測定して、走りが速くなったことを実感する。こうした本物に触れる貴重な体験は、教室を終えた後にも影響があるのだそうだ。

「わくわく教室の後のアンケートや手紙に、本物の体験をしたことで自分の未来に対する考え方が変わったと書いてくれるお子さんが多いんです。教えてくれた福島さんや山縣選手もかつては自分たちと同じ小学生だった。でも、そこから頑張って努力を重ねたら、オリンピアンのような世界で活躍する人になったことを知って、夢を描くことって素敵だなとか、そのために頑張りたいなっていう思いを抱いてもらえていることを実感します。私たちが地道な活動を続けることによって、子どもたちの未来への行動や思い、夢が変わっていく。そういった子どもたち一人ひとりの行動が変わることで、未来全体が変わっていくんじゃないかな、というのをすごく感じています」(安井さん)

日本から世界へ! 世界陸上の競技場でわくわく教室を実施!

2022年、世界陸上オレゴン22の会場で実施されたわくわくスポーツ教室/©︎Aflosport

わくわく教室の取り組みは、2022年に国境を越えた。世界陸上オレゴン22の会場で、現地の子どもたちを招待して「わくわくスポーツ教室」が行われたのだ。世界陸上の会場で競技が行われていない時間帯を活用し、子どもたちに本物のフィールドを走ってもらった。もちろん計測に使用するのは、世界陸上の選手たちが使用するセイコー製の本物の機材。講師は、日本から駆けつけた福島千里さんが実技指導を、大会で計時計測を担当するセイコータイミングチームのスタッフが機材の説明を担当。本物の世界陸上の会場で、本物の機材を使い、元オリンピアンから指導された子どもたちのテンションはかなり高く、みんな笑顔だったという。

わくわくスポーツ教室で子どもたちに話をしている、セイコーグループ株式会社のコーポレートブランディング部の甘原怜和さん/©︎落合直哉

「本物には本物にしかない特別感、雰囲気というのがあります。それを子どもたちに味わってもらうのはとても大事なことだと思っています。僕自身、小さい頃の思い出がすごく大切になっていて、それが今の自分を形づくっていますし、そうした経験の中で自分のやりたいことが見つかっていくと思います。ですから子どもたちが成長した後の社会にとっても、我々大人が子どもたちに、そういった場面をどれだけ多く提供できるかが大事なのではないでしょうか」(甘原さん)

セイコーでは、今後も多くの子どもたちに本物に触れわくわくするような体験をしてもらうために、「わくわく教室」の実施エリアを拡大していく予定だそうだ。

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コロナ禍で学校の行事や遠足、修学旅行などのイベントが軒並み中止になる中、セイコーはリモートの新しいプログラムを開発するなどして、感染対策を取りながら子どもたちに本物を体験してもらうイベントを続けてきた。安井さんは「持続可能ということは、時間をかけて地道に育てていく活動を続けていくことがとても大事なので、どんな時も活動を止めずにやっていきたい」と語ってくれた。その言葉にサステナブルの本来の意味、そして140年以上もの間、時を刻み続け、老舗時計メーカーとして技術を高め続けてきた企業の矜持を見た気がした。

text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)
写真提供:セイコーグループ株式会社

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