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アスリートだからできるSDGsって?【サッカー×異業種】から学ぶヒント

パラサポWEB

――これまでご自身でされてきた支援活動の中で、子どもたちと実際にふれあってみて、どんなことを感じましたか?

中澤:障がいのある子どもたちが、純粋にスポーツが好きなんだなとすごく感じましたね。学校や親がスポーツをやらせるのにあまり前向きじゃなくても、実際にそういう機会を作れば、本人たちはすごくサッカーが好きなのが分かりました。
健常者の子どもたちも、最初は障がいというものにマイナスのイメージをもっている子も多いのですが、スポーツをするとポジティブな印象に変わる。今年の2月に名古屋で体験イベントを開催したのですが、そのときは全盲の子が一人で、他はみんな健常者の子どもだったんです。僕たち運営側は全盲の子とプレーするときどうすればいいか特に教えなかったのですが、全盲の子がシュートにいけるようにゴールの位置を教えたり、参加した子どもたちが自分たちで考えて行動していたんです。それがすごく良かったですね。

――こうしなさいと言うより、自分たちでどうすればいいんだろうと考える。そのほうが得られるものや気付きが大きいんですね。

中澤:そうですね。スポーツを通すことで自然と共生社会を知る、良いきっかけになったと思います。

アスリートだからこそできることを追求したい

久保田和音氏(J2・ザスパクサツ群馬)

――「Refio」として、今後はどんな活動をしていく予定ですか?

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中澤:本年度中に特別支援学校への訪問を実施し、内容は検討中ですがイベントを開く予定です。それと並行して農家さんを募集して、実際に農業をしていくことを考えています。将来的に障がいのある子どもや地域の方々に田んぼや畑に来てもらって、農業体験や収穫体験をしてほしいなと思っています。

――最後に、「Refio」は「アスリートだからこそできること」にこだわっているとのことですが、それはなぜですか?

中澤:スポーツは人に感動を与えるとよく言われますよね。僕自身以前はあまり感じたことがなかったのですが、いざ自分が視覚障がい者になったときに、テレビで放送されていたサッカーの日本代表戦にすごく感動して救われた気持ちになったんです。でも、アスリートの方には自分なんてそんなにすごくないと、謙虚すぎて自分自身を過小評価している選手も意外と多い。日本代表選手に限らず、Jリーグの選手、チームのエースじゃなかったとしても、アスリートはもっと子どもたちに対して色々と発信してもいいと思います。自分が思っているよりも、たくさんの人に感動を与えているはずですから。そういった意味も込めて、アスリートだからこそできる社会貢献ってあるんじゃないかな、と思っています。

久保田:僕も小さい頃にプロのサッカー選手が地元のスクールに来て指導してくれたのは、いまだにいい思い出になっていて、その時にプロサッカー選手になりたいと強く思ったんです。自分が実際にプロサッカー選手になれたので、競技や「Refio」の活動を通して、子どもたちに何か夢を与えるきっかけになれれば嬉しいですね。

中澤:そういった想いもあり、農家さんや障がいのある方は、どちらかというと社会では太陽が当たらないイメージを持たれているので、これからは僕たちがアスリートの強みを活かして光を当てて、夢や目標にチャレンジできるようにサポートできたら、と考えています。そしてたとえ障がいがあっても自分らしく輝ける社会に向けて、今後も支援を続けていきたいですね。

中澤氏と久保田氏が語るさまざまな体験や想い、活動を通して、アスリートだからこそできるSDGsの可能性を感じた。ひいてはアスリートに限らず、今私たちができるSDGsとは何か?について考えるきっかけにもなったのではないだろうか。「本業×異業種」をヒントに今後も多角的なアイデアや活動が生み出されることに期待したい。

text by Jun Nakazawa
写真提供:Refio

PROFILE 久保田和音
1997年生まれ、愛知県豊橋市出身のプロサッカー選手。2015年に鹿島アントラーズに入団後、ファジアーノ岡山FC、松本山雅FCを経て、現在J2・ザスパクサツ群馬に所属。ポジションはMFで、豊富な運動量を活かしたプレースタイルに定評がある。

PROFILE 中澤朋希
1997年生まれ、三重県鈴鹿市出身。高校2年生のときに難病「レーベル遺伝性視神経症」を発症し、視覚障がい者となる。大学進学後にロービジョンフットサルと出会い、技術を磨いていく中で日本代表強化指定選手に。2019年にスペインやトルコの国際大会に出場。ロービジョンフットサルを広く知ってもらうためにイベントや講演なども行っている。

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