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村上宗隆は三冠王に輝く打者に成長 ドラフトで3球団以上が重複した選手の活躍度は?【プロ野球記録ノート】

週刊ベースボールONLINE

2008年以降3球団以上重複は26人



5年目の今季、三冠王に輝いた村上宗隆

 ヤクルトの村上宗隆の18年ぶりの三冠王が大きな話題となった今年のプロ野球。村上は2017年秋のドラフトで1位指名を受けたが、このときのドラフト1位では、早実の清宮幸太郎(日本ハム)に7球団の入札があり、広陵高の中村奨成(広島)にも2球団の入札があった。クジに外れた7球団が2度目の入札を行ったが、ここで九州学院高の村上にヤクルト、巨人、楽天の3球団が競合し、ヤクルトが見事にクジを引き当てた。

 現行のドラフト制度になったのは2008年。その年から今年までの15年間で1位指名が重複したのは58人。そのうち3球団以上の重複は26人。それだけの人気だった選手のプロ入り後はどうだったのか検証してみたい。

 最初の2008年は4人の重複がいたが、いずれも2球団。

◎2009年
 菊池雄星(投・花巻東高)◎西 ×神・ヤ・楽・中・日
 2年目の2011年にプロ初登板を果たし、2013年に先発ローテーションに定着。2016年に初の2ケタ12勝を挙げると翌年は16勝、防御率1.97で投手二冠に輝き、2018年も14勝をマークしマリナーズに移籍。
 登板158 73勝46敗1セーブ 防御率2.77

◎2010年
 大石達也(投・早大)◎西 ×横・楽・広・オ・神
 西武は2年連続で6分の1の強運を引き当てた西武。即戦力と期待されたが、1年目は右肩痛などで一軍登板なし。2年目に24試合にリリーフ登板し1勝1敗。3年目は自己最多の37試合に登板したものの右肩痛に悩まされ2019年限りで引退。
 登板132 5勝6敗8セーブ 12ホールド 防御率3.64

 斎藤佑樹(投・早大)◎日 ×ヤ・ロ・ソ
 1年目に19試合に先発し6勝をマークし、その後の飛躍も期待されたが、3年目の2013年に右肩痛を発症。入団から2年間で11勝を挙げたものの、その後の9年間で4勝しかマークできなかった。2021年限りで引退。
 登板89 15勝26敗 防御率4.34

 この年は斎藤佑樹を外したヤクルトは2回目でも塩見貴洋(八戸大→楽天)を外し、3回目で山田哲人(履正社高)を指名。これもオリックスと重複したが、見事にクジを引き当てた。

◎2011年
 高橋周平(内・東海大甲府高)◎中 ×オ・ヤ
 甲子園出場なしの選手がドラフト1位で3球団から指名されたのは史上初。将来の主砲として期待されたが、レギュラーを確保したのは7年目の2018年。2020年には打率.305と初の3割をマーク。4年連続規定打席に到達したが、2022年は故障で78試合の出場に終わった。
 試合903 安打768 本塁打55 打点335 打率.261


2012年のドラフトで藤浪には4球団が競合し、阪神が当たりクジを引いた

◎2012年
 藤浪晋太郎(投・大阪桐蔭高)◎神 ×オ・ロ・ヤ
 1年目から先発ローテーションに入り10勝。その後11勝、14勝と順調に成績を伸ばしたが、4年目の2016年に制球難に陥り成績は低下。2022年は2年連続開幕投手を務め、リリーフも任されるなど復調の気配は見せた。オフにメジャー挑戦を発表。
 登板189 57勝54敗 11ホールド 防御率3.41

 東浜巨(投・亜大)◎ソ ×デ・西
 1年目は5試合に登板しプロ初完封もマークし3勝。2016年に先発ローテーションに定着し9勝、翌年は16勝を挙げ最多勝を獲得。2022年は5年ぶりに2ケタ10勝をマークした。
 登板145 63勝35敗 防御率3.19

◎2013年
1回目
 松井裕樹(投・桐光学園高)◎楽 ×日、デ、ソ、中
 1年目は先発ローテーション入りしたものの4勝止まり。2年目からはクローザーとして3年連続30セーブ以上をマーク。2019年に38セーブで初のタイトルを獲得。2020年は先発も務めたが結果を残せず、2022年は32セーブで2度目のタイトル受賞。
 登板442 23勝43敗197セーブ68ホールド 防御率2.48

 大瀬良大地(投・九州共立大)◎広 ×ヤ・神
 初戦度から10勝をマークし新人王を獲得。チームが25年ぶりのリーグ優勝した2016年は3勝に終わったが、2017年は10勝、2018年は15勝をマークし最多勝を獲得し、リーグ3連覇に大きく貢献。9年間で5度の2ケタ勝利をマークしている。
 登板228 75勝53敗2セーブ 24ホールド 防御率3.56

2回目
 柿田裕太(投・日本生命)◎デ ×日・神
 松井を外したDeNAと日本ハム、大瀬良を外した阪神が競合したがDeNAが交渉権を獲得。1年目の春季キャンプで故障し、プロ4年間で一軍登板なしに終わった。

◎2014年
1回目
 有原航平(投・早大)◎日 ×デ・広・神
 1年目から8勝を挙げると、2年目は11勝でチームの日本一に貢献。2019年には15勝をマークし最多勝を受賞。2021年にレンジャーズに移籍している。
 登板129 60勝50敗2セーブ 1ホールド 防御率3.74

◎2015年
 高橋純平(投・県岐阜商高)◎ソ ×中・日
 2年目の2017年にプロ初登板も1試合のみ。2019年はリリーフとして45試合に登板し初勝利もマーク。故障がちでプロ7年間で隔年の奇数年しか一軍登板がない。
 登板56 4勝3敗 19ホールド 防御率2.63


2016年のドラフトで田中には5球団が競合し、ソフトバンクが当たりクジを引いた

◎2016年
1回目
 田中正義(投・創価大)◎ソ ×ロ・巨・日・広
 1年目は右肩痛のため一軍登板なし。2年目の2018年は10試合に登板したものの、翌年から2年間で1登板。2021年は自己最多の18試合に登板したものの、まだドラフト1位らしい活躍はない。
 登板34 0勝1敗 2ホールド 防御率4.25

2回目
 佐々木千隼(投・桜美林大)◎ロ ×デ・巨・日・広
 2回目の入札としては史上初の5球団競合。1年目は14試合に先発したものの4勝に終わる。翌年7月、右ヒジの手術を受け3年間はくすぶっていたが、2021年にリリーフとして54試合に投げ、8勝1敗1セーブ、26ホールドと活躍。
 登板104 16勝12敗1セーブ 27ホールド 防御率3.49

◎2017年
1回目
 清宮幸太郎(内・早実)◎日 ×ロ・ヤ・巨・楽・神・ソ
 ドラフトの目玉となった清宮は7球団が指名。1年目は7本塁打を放ったものの確実性がなく4年目は一軍出場なし。2022年は初めて規定打席に到達しチーム最多の18本塁打を放った。
 試合359 安打215 本塁打39 打点128 打率.206

2回目
 村上宗隆(捕・九州学院高)◎ヤ ×巨・楽
 2回目の指名で清宮を外した3球団が競合。1年目はほぼ二軍での育成だったが、2年目にはレギュラーとして36本塁打を記録。4年目の2021年は39本塁打で初のタイトルを獲得すると、2022年は日本選手最多の56本塁打をマークするなど三冠王を獲得。
 試合553 安打543 本塁打160 打点430 打率.281

 安田尚憲(内・履正社高)◎ロ ×神・ソ
 こちらも清宮を外した3球団が競合。1年目は17試合に出場し、2年目の2019年は一軍出場なし。3年目は開幕から一軍で7月には四番も務めた。2022年は自己最高の打率.263、9本塁打をマーク。今後の飛躍が期待される。
 試合364 安打282 本塁打24 打点163 打率.238

◎2018年
1回目
 根尾昂(内・大阪桐蔭高)◎中 ×日・巨・ヤ
 二刀流の期待もかかって入団も、1年目は2試合、2年目も9試合の出場に終わる。3年目の2021年は72試合に出場し初本塁打を放つ。2022年はシーズン途中に投手へポジション変更。敗戦処理的な登板が多かった。
 試合132 安打40 本塁打1 打点20 打率.171
 登板25 0勝0敗 1ホールド 防御率3.41

 小園海斗(内・報徳学園高)◎広 ×オ・デ・ソ
 1年目は58試合に出場。レギュラーを獲得した3年目の2021年にはリーグ8位の打率.298。2022年の127試合、7本塁打、38打点はキャリアハイ。ショートのポジションを不動のものにしつつある。
 試合301 安打300 本塁打16 打点89 打率.269

 藤原恭大(外・大阪桐蔭高)◎ロ ×楽・神
 開幕戦で一番・中堅でスタメン出場を果たし、初安打を放つものの1年目は6試合の出場にとどまった。3年目の2021年は自己最多の78試合に出場も2022年は49試合と出場数を減らした。
 試合159 安打98 本塁打9 打点39 打率.219

2回目
 辰己涼介(外・立命館大)◎楽 ×神・巨・ソ
 1回目の抽選は高校生野手に集中したが、2回目では大学生外野手に4球団が競合。1年目から外野の守備でファンを魅了したものの、打撃では好不調の波が激しく3年間は2割2分台の打率も、2022年は.271と進境を見せている。
 試合478 安打323 本塁打33 打点120 打率.240


2019年のドラフトで佐々木には4球団が競合し、ロッテが当たりクジを引いた

◎2019年
 佐々木朗希(投・大船渡高)◎ロ ×日・楽・西
 パ・リーグの4球団が競合。1年目は実戦登板なしだったが、2年目は5月にプロ初登板し3勝をマークする。2022年4月10日のオリックス戦で28年ぶりの完全試合、1試合19奪三振、13連続奪三振の記録を達成。2ケタには届かなかったが9勝をマーク。
 登板31 12勝6敗 防御率2.10

 奥川恭伸(投・星稜高)◎ヤ ×神・巨
 セ・リーグの3球団が競合。2021年は抜群の制球力を武器に後半戦に白星を積み重ね、9勝をマークしリーグ優勝に貢献。日本シリーズでも第1戦を任された。2022年は1試合の登板に終わる。
 登板20 9勝5敗 防御率3.57

 石川昂弥(内・東邦高)◎中 ×オ・ソ
 1年目は14試合に出場も、2年目は出場なし。2022年は37試合に出場しプロ初本塁打も放つが、ケガで離脱もありレギュラーにはまだ至っていない。
 試合51 安打37 本塁打5 打点20 打率.224

◎2020年
 佐藤輝明(内・近大)◎神 ×オ・ソ・巨
 開幕2戦目でプロ第1号を放つと本塁打を量産。5月28日にはルーキー史上4人目の1試合3ホーマー。チーム77試合目には20号の大台に乗ったが、後半戦は大ブレーキ。2022年は全試合に出場し、本塁打は前年を下回ったが、打点、打率ともに上回った。
 試合269 安打244 本塁打44 打点148 打率.253

 早川隆久(投・早大)◎楽 ×ヤ・西・ロ
 開幕カードでデビューを果たしプロ初勝利。中盤7連勝し9勝をマーク。2022年も序盤は絶好調だったが、一発に泣くケースが目立ち5勝止まり。
 登板43 14勝16敗 防御率3.86

◎2021年
隅田知一郎(投・西日本工大)◎西 ×広・巨・ヤ
 開幕2戦目のオリックス戦でプロ初登板初先発。7回1安打、無失点でプロ初勝利。ところが、その後好投しても味方打線があまり点を取らずに10連敗と不名誉な記録を作ってしまった。
 登板16 1勝10敗 防御率3.75

 2022年は2008年以来、14年ぶりに3球団以上の指名はなかった。期待どおり大活躍をする選手もいれば、活躍できなかった選手も存在する。特に5球団以上に指名された大学生が、あまり活躍していない感じがする。

文=永山智浩 写真=BBM
 
   

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