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道路がアスファルトでできている理由

日刊ホントの話

「道路」を思い浮かべてみると、黒いアスファルトが浮かぶのではないでしょうか。国土交通省によると日本の道路の90%以上はアスファルトでできています。一方、世界に目を向けると、アスファルトの割合はもう少し低いようです。

特に韓国ではアスファルトは40%弱、およそ60%程度はコンクリートで舗装されています。なぜ日本の道路はアスファルトが多いのでしょうか、またアスファルトとコンクリートの道路はどのような違いがあるのでしょうか。

●アスファルトは初期費用が安くて管理しやすい

 日本の道路でアスファルトが多い理由は、まずは初期の工事費用が安く済み、工事後もすぐに利用可能になるということが一番大きいようです。また修復・修繕、維持などの管理がしやすい点もアスファルトのメリットです。一方、コンクリートはアスファルトに対して初期費用が高く、道路が固まって車が走れるようになるまでには1週間ほどかかったりします。

 戦後、日本では道路を整備していく必要に迫られます。そうして1955年以降、アスファルト舗装が伸びていきます。特に1964年の東京オリンピックを控えたころには、一気に道路を整備する動きが出てきます。急いで整備するには初期費用が安くてすぐに使えるようになるアスファルトの方が選ばれたようです。これ以前の道路は国産原料で作ることができるコンクリートも多かったようですが、やはり急ピッチでの道路整備ではアスファルトに分があったようです。こうした流れを受けて、日本の道路の多くはアスファルトで整備されています。

●今後はコンクリート道路や新素材に変わる可能性もある

 ただしこれは、アスファルトがコンクリートに対して優れているということではありません。コンクリートはアスファルトに比べて耐久性が高く、その後の維持メンテナンス費用が安い点が特徴です。また、路面温度に関しても、コンクリートはアスファルトに対して5℃から10℃低くすることができます。この点は特に都市部でのヒートアイランド現象に対する有効な対策となるでしょう。また、従来はアスファルトに比べてコンクリートは、騒音や振動が大きい点が問題として残っていました。しかし、これを解消する技術も昨今開発されています。

 このようにコンクリートは、初期費用がかかる点、工事後使用できるようになるまでに時間がかかる点、またあとで工事しにくい点といった3つの問題点を除けば、優れた素材であることがわかります。またこの問題点も解決に向かっているようです。コンクリート舗装に必要な費用はこの10年間で半減しています。またアスファルトは原油から生成されることもあって100%が輸入です。原油は生産量や地政学的要素に大きく影響されることから、近年価格が高騰しています。これに対してコンクリートの原料は国内で調達可能であることから、たいへん安定しています。

 実際に数は少ないながらもコンクリートの道路は利用されています。たとえば石川県小松市の国道8号、愛知県名古屋市内の国道22号などで採用されたようです。この先、ほかの道路でも採用されていく可能性はあります。また、最近ではオランダの企業がリサイクルされたプラスチックでできた道路を新しく開発しています。これであれば軽量で工期も短く、温度も-40度から80度まで耐え、さらにケーブルや排水管や雨水管などを設置する地下空洞も簡単につくれるとのこと。まだ検証が必要な要素は多く残されているようですが、もしかしたらそのうち、プラスチックの道路が広がる日も来るのかもしれません。

<参考サイト>
道の歴史│国土交通省
https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_10a_02.html
日本における道路技術の発達 II|IDE-JETRO
https://d-arch.ide.go.jp/je_archive/english/society/wp_unu_jpn28.html
長寿命化のための適材適所の舗装技術『コンクリート舗装の普及に向けて』(平成28年度 舗装に関する講習会)|公益財団法人日本道路協会
https://road.or.jp/event/pdf/201609151.pdf
安全な道路ってなに?アスファルト道路とコンクリート道路の違いとは|生活110番
https://www.seikatsu110.jp/library/garden/gd_asphalt/16593/
同じ場所を何度も工事する理由とは? 道路工事の裏事情と舗装技術|GAZOO
https://gazoo.com/column/daily/17/03/29/

 
   

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