top_line

【完全無料で遊べるミニゲーム】
サクサク消せる爽快パズル「ガーデンテイルズ」

銅メダルの車いすラグビー日本代表、パリパラリンピックに向けて若手4人の奮起に期待

パラサポWEB

チーム力では負けていない。自信を持って本来のパフォーマンスを出せれば、強い日本の1ピースになれることを小川は知っている。課題は明確だ。次の国際大会では、ベンチでもコートでも人一倍大きく声を張る小川の姿を見られることだろう。

ミッドポインターは国内で底上げを図る

そんな小川に誘われて競技を始めた中町俊耶(2.0)は、東京大会後に日本が進化した、(クラス分けの)ミッドポイントの若手だ。同じクラスの羽賀理之らと国内で底上げを図り、オフェンス時にボールを奪われることも少なくなった。

熾烈な代表争いを潜り抜けて世界選手権に出場した中町は、カナダ戦ではターンオーバーを奪うなどチームの勝利に貢献。予選のブラジル戦ではさまざまな組み合わせ(3-2-2-1や3.5-2-2-0.5)のバランスラインが起用され、「合宿で連携を深めてきた成果」と胸を張った。

オーストラリアのハイポインターにプレッシャーをかける28歳の中町 photo by Lars Møller for Parasport Danmark

とはいえ、バランスラインはまだ発展途上。オアーHCは「中町と羽賀がよいプレーをしてくれて、バランスラインがうまく回っている。世界的に見てもハイローとバランスラインをうまく使い分ける傾向にあり、日本としても改善の余地があるので、今後の国際大会でもっと磨いていきたい」と語った。そのバランスライン成長のカギを握っているのは間違いなく中町だろう。2019年のワールドチャレンジ、2021年の東京パラリンピック、そして2022年の世界選手権の準決勝で敗れた悔しさを糧に、前に進んでいくだけだ。

日本の強みを支えるローポインターの存在感

今大会を通して、日本のラインは実に22パターンあった。「ラインに広がりがあって深みがあるのが日本の強み」(オアーHC)だ。準決勝で敗れたものの、エース頼みの各チームと比べて、決勝トーナメントを総力戦で挑める強みも示した。

広告の後にも続きます

その中でも「変わりのいない存在」が0.5クラスの長谷川勇基。障がいの最も重い0.5クラスながらボールも扱い、大会を通して長い距離を走った。

「日本はメンバーチェンジがいくらでもできるチーム。自分がいなくても、疲れたら交代できるので、出ている間だけ頑張って走れるっていうところで、そこは安心して全力で走ってます」

世界のローポインターの中でフィジカル面での手ごたえを感じた一方で、スピード不足などの課題は残った。日本帰国後、何かしたいことはあるか尋ねると、「国内の0.5クラスの選手とコミュニケーションを取って高め合いたい。(今大会の0.5は、女性選手の)倉橋香衣選手と2人なので、全体の底上げをしていきたい」と意欲的だ。

出場時間の長かった30歳の長谷川 photo by Lars Møller for Parasport Danmark

3位決定戦の後、長谷川は決勝の舞台を見やり「あそこにいる予定だった。悔しいですね」と語り、こう力強く述べた。

「日本の伸びしろは、若手4人。パリパラリンピックまであと2年でしっかり経験できる時間はある。この結果が次につながると信じています」

今大会で日本代表が手にしたメダルは、パリでは金色に輝く。

text by Asuka Senaga
key visual by Asuka Senaga

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(スポーツ)

ジャンル