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銅メダルの車いすラグビー日本代表、パリパラリンピックに向けて若手4人の奮起に期待

パラサポWEB

2022年10月10日から6日間にわたり、デンマークのヴァイレで開催された車いすラグビー世界選手権。パラリンピックに次ぐ4年に一度のビッグイベントで、日本代表は銅メダルを獲得した。だが、前回優勝の日本選手たちにとって、世界3位という成績は、決して満足できる結果ではなかった。東京パラリンピックと同じ12人のメンバーのうち、若手と呼ばれる4選手は、今大会で何を掴んだのか。パリに向けてさらなる成長が期待される日本代表の奮闘とともに振り返る。

パリではエースに。最年少の橋本は悔し涙

若手の中で唯一、前回の世界選手権を経験しているのが、20歳の橋本勝也(3.5)だ。この4年間、世界一のハイポインター陣、池透暢、池崎大輔、島川慎一の3人の背中を見て育ってきた。東京大会の銅メダル獲得を経て、世代交代の必要性から「40代の先輩たちから早く吸収しなければ」とトレーニングを積み、今大会はコートで活躍するイメージで乗り込んだ。

今年3月に町役場を辞め、アスリート雇用で練習中心の生活を送る橋本
photo by Lars Møller for Parasport Danmark

だが、現実は厳しかった。12ヵ国が2プールに分かれて行う予選。日本は初対戦のコロンビア、開催国のデンマーク、格下のブラジル、車いすラグビーの母国であるカナダ、そして宿敵のオーストラリアに全勝した。ケビン・オアーヘッドコーチ(HC)は、ディフェンスに定評のある乗松聖矢らの組み合わせ(3-3-1.5-0.5)、オフェンスで3人がボールを扱える(3-3-2-0.5F)、長年の息の合ったプレーが光る(3-3-1-1)を多用。東京大会以降の新しいライン(3.5-3-1-0.5の組み合わせ)は、重要な場面では使われなかった。

東京パラリンピック後の新たなラインも披露した
photo by Lars Møller for Parasport Danmark

「ケビンの信頼を得ることができなかった。自分自身にすごく悔しさといら立ちを感じています」
試合後の報道エリアで橋本は、珍しく感情を言葉にした。

日本は準々決勝で、ディフェンスの強さが増したニュージーランドを撃破。だが、準決勝で対戦経験の少ないアメリカに5点差をつけられて敗れた。連覇の夢が途絶えた瞬間だった。

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橋本は、涙をこらえながら言葉を振り絞る。
「大会中、自分の調子が上がらず、チームに対して迷惑をかけてしまっていた。多彩なラインナップを使えることが日本の強みであり、(従来のハイポインターに)自分がどれだけ加われるかがキーになってくると思っていたので……」

アメリカ戦の後半、チームが意気消沈する中、体格で勝るアメリカ相手に立ち向かい、堂々とした姿でコートを駆け抜けた。それが今の橋本ができる、せいいっぱいのプレー。「橋本はグッドプレーヤー。彼の自信を壊さないように丁寧に育てていきたい」とはオアーHC。今大会優勝したオーストラリアも、準優勝のアメリカも、注目すべき選手として、ポテンシャルの高い次代のエース、橋本勝也の名を挙げていた。

日本は3位決定戦でデンマークに勝利し、銅メダルを獲得。チーム最年長47歳で、今大会も大車輪の活躍だった島川は、橋本についてこう語る。
「僕の個人練習にもつきあってくれていて、最年長と最年少だけど刺激をしあえるいいライバル。(最終戦は出場できず)悔しかったと思うけど、彼はすごく伸びていますよ。次、楽しみにしていてください」

自信を持ってプレーする難しさを実感

その橋本と同じラインの一角を担う小川仁士(1.0)も28歳の若手だ。東京パラリンピックは、1.0の3番手としてサプライズで選出された。当時は、日本代表の実感がなかった小川にとって、今回の世界選手権は初めて狙って手に入れた日本代表であり、世界一になりたいという気持ちを抱いて大会に臨んだ。

オーストラリア戦後の小川 photo by Asuka Senaga

だが、世界の激しいプレッシャーを受けて、小川の自信は日に日にしぼんでいく。最強の組織力を誇るアメリカとは初対戦。「圧倒はされていない。でも少し気が小さくなってしまい、プレーのミスが生まれてしまった」。オアーHCから交代を告げられると、肩を落として悔しさをあらわにした。

「何をしに来たんだろうという思いでいっぱい。チームに貢献できなかった悔いが残ります」

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