鹿城西6点目・明瀬ソロ
<第151回九州地区高校野球大会鹿児島予選:鹿児島城西11-3鹿児島実>◇5日◇準々決勝◇平和リース
鹿児島城西は1回、2死二塁で4番・明瀬 諒介(2年)が申告敬遠された後、5番・池野 航太(2年)の左前適時打で先制。6番・俣木 将伸(2年)、7番・濱田 隆輔(2年)が連続二塁打で続き、計4点を先取した。
鹿児島実は3回裏、2死一、二塁で4番・濵嵜 真太郎(2年)の当たりは右前の詰まった飛球だったが、右翼手の前に落ちて右翼線に転がる走者一掃三塁打となり、2点を返した。
3点差を追いかける鹿児島実は6回裏、1死一、三塁と絶好の反撃機を作ったが、併殺で生かせず。
直後の7回表、鹿児島城西は先頭打者の4番・明瀬が初球を左翼席に運ぶ3試合連続となる特大アーチを放った。これで勢いづき、追加点を重ね、満塁から2番・黒川 虎太郎主将(2年)が走者一掃の中越え二塁打を放って、猛攻撃を締めくくった。打者10人、6得点のビッグイニングで一気に勝機を手繰り寄せた。
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その裏、鹿児島実は3四球で満塁とし、4番・濵嵜の内野安打で1点を返したが反撃もここまで。鹿児島城西が7回コールド勝ちだった。
1回表2死二塁。今大会2戦連続本塁打の4番・明瀬が申告敬遠で歩かされた。「いきなり申告敬遠は驚いた」と5番・池野 航太(2年)。「(チャンスが)回ってくるぞ!」と佐々木誠監督に檄を飛ばされて「絶対に打って返す!」と気合が入った。2ボールからの3球目を粘り強く左前に弾き返し、先制の適時打を放った。
6回裏1死一、三塁のピンチを併殺で切り抜けると、7回表は先頭の4番・明瀬が初球を左翼席に運び、3試合連続となる本塁打を放った。 「普段から一緒に練習しているけど、飛距離が別格で肩も強い」と脱帽する池野。ただ「ホームランが出た後の打席が大事」と自分の「仕事」を忘れていなかった。大きな当たりを自分も狙う「色気」を出すことなく、内野安打で出塁。この後打線が再びつながり、計6点のビッグイニングを作って一気に勝負を決めた。
これからも「4番・明瀬」の存在は相手にとって脅威であり、初回のように申告敬遠されるケースも出てくるだろう。その後ろを打つ池野の責任は重大だが「どんな形でも、最後に1点差でも相手を上回って勝つ」野球を心掛ける。強豪・鹿児島実に打ち勝っての4強入りだったが「まだ何も成し遂げたわけではない。これからも一戦一戦泥臭く勝っていきたい」と気持ちを引き締めていた。
(取材=政 純一郎)