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絶滅したはずのゴキブリが80年ぶりに発見される。オーストラリア、ロード・ハウ島の固有種(※ゴキブリ出演中)

カラパイア


image credit:Credit: Nicholas Carlile/NSW DPE

 まず最初に言っておくが、ここに登場するゴキブリは、我々の家に出没する系ではなく、自然の中で生態系に大切な役割を果たすタイプのものだ。

 オーストラリアの東沖に浮かぶ小さな島「ロード・ハウ島」で、絶滅したと考えられていたゴキブリが80年ぶりに発見された。

 発見者であるシドニー大学の学生マキシム・アダムズ氏はかなり驚いたようで、見た瞬間10秒くらい固まったという。ゴキブリが苦手だからではなく、いるはずのない存在に遭遇したからだ。

 大きなガジュマルの木の下にある石を持ち上げところ、この島の固有種である、キクイゴキブリの一種「ロード・ハウ島キクイゴキブリ」がいたのだ。

絶滅したとされていたゴキブリの生存を80年ぶりに確認

 ロード・ハウ島の固有種である「Panesthia lata」は、オオゴキブリ科の仲間で、英名を「ロード・ハウ島キクイゴキブリ(Lord Howe Island wood-feeding cockroach)」という。

 かつてはロード・ハウ島群全体に広く生息していたが、1918年にネズミが持ち込まれたことで、1930年代に絶滅したと考えられていた。

 その後数十年での調査では、ちっぽけな島2つで近縁種がまばらに見つかっただけだった。

 ロード・ハウ島理事会のアティカス・フレミング氏は、「最後に目撃されてから80年、まさか生きていたとはビッグニュースです」と、再発見の驚きを語る。
 ロード・ハウ島は素晴らしいところで、ガラパゴス諸島よりも古く、1600種もの固有の無脊椎動物が生息しています。その半分は、世界でもこの島でしか見られません

 ゴキブリはダーウィンフィンチのロード・ハウ版です。何十万年、何百万年のうちに小さな島々に別れ、そこで固有の遺伝子が育まれました


ロードハウ島の木を食べるキクイゴキブリ /Credit: Justin Gilligan/NSW DPE

>ロードハウ島のゴキブリは生態系にとって大切な役割を果たす

 ゴキブリは一般にすこぶる不人気な生き物だろうが、ロード・ハウ島の生態系にとってはとても大切な存在で、これはうれしいニュースだ。

 栄養の再利用者であり、木々の分解を早め、ほかの動物の食料源であるなど、いくつもの重要な役割を担っている。

 だからこそ、これまで絶滅したゴキブリの再導入が検討されてきた。だからではなく、だが、生存が確認された今、もうその必要もないかもしれない。

手の上のキクイゴクブリ。日本のゴキブリとは随分印象が違う / image credit:Credit: Justin Gilligan/NSW DPE

 シドニー大学のネイサン・ロー教授はこう語る。
まだまだ学ぶべきことがたくさんあります

生息地・行動・遺伝子だけでなく、一体どうやって生き延びたのかなど、実験を通じてさらに詳しく知りたいと考えています
 生存が確認されたキクイゴキブリは、翅がなく、体長は22~40ミリ。赤や黒っぽい色をしており、金属的な光沢がある。

 なおオーストラリアにはキクイゴキブリの仲間が11種生息している。その名の通り、オーストラリア北部や東部沿岸部にある森の朽ち木を食いながら、その内部で暮らしている。

 そんなことができるのも、シロアリのように、腸内に木のセルロースを分解する微生物がいるからだ。

ニコラス・カーライル氏(右の人物)によると、キクイゴキブリのという名称はあまり適切ではないという / image credit:Justin Gilligan/NSW DPE

 しかし、その名称はあまり適切ではないかもしれない。

 ニューサウスウェールズ州計画・環境局のニコラス・カーライル氏によると、確かに朽ち木に穴を開けるのだが、むしろ「岩ゴキブリ」の方がふさわしいのだという。彼らの暮らしにとっては岩がより重要なのだそうだ。

 まあどっちにしろゴキブリという名前はついちゃうわけで、だったらもうゴキブリじゃない呼び方にした方が親しみが湧いたりするのかもしれない。

References:‘Extinct’ wood-eating cockroach rediscovered after 80 years / written by hiroching / edited by / parumo

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