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オリックス逆転Vの立役者・宇田川優希 飛躍のキッカケとなった「平野さんの投球」

ベースボールキング

◆ 「自分でもよくやったかなと思う」

 オリックスの劇的な逆転連覇で幕を閉じた今年のパ・リーグ。

 ソフトバンクの結果に関わらず、敗れれば即終戦だった2日の楽天戦。4回に2点を奪われ、なおも無死一・二塁という絶体絶命のピンチの場面で、中嶋聡監督がマウンドに送ったのがプロ2年目の宇田川優希だった。




 先発の田嶋大樹、ピンチで登場した比嘉幹貴に続く3番手として登場した23歳の右腕。

 先頭の茂木栄五郎を一直に打ち取るも、田中和基には四球を与えて一死満塁。窮地に立たされた中、小深田大翔を155キロの速球で遊飛に仕留め、渡邊佳明は遊ゴロ。大量失点の危機を見事に火消ししてみせた。

 宇田川は「ブルペンではしっかり作っていました。比嘉さんと一緒に作っていて、どちらかが行くと言われていて、比嘉さんが先に行ったという形ですね」と明かし、この日は早くから登板の準備を進めていたという。

 その後、味方が3点を挙げて逆転した直後の5回裏も無失点で抑え、終わってみれば勝利投手に。プロ2勝目を優勝決定試合で記録した。


 「多少は力んで、大きくコースを外れてというのも何球かあった」と振り返ったが、「修正できたのでよかった。この前、ソフトバンク戦で無死満塁で投げた時(=9月19日・京セラD大阪)に失敗してしまって、今回は優勝も懸かっていたので“絶対にゼロで抑える”という気持ちで抑えました」と、過去の経験が右腕を奮い立たせた。

 思えば、その試合も先発の田嶋からピンチで比嘉にスイッチし、そこから宇田川へという流れ。その時はリードの展開から中村晃に同点の適時打を浴び、さらにパスボールで逆転を許してしまったが、今回は相手に流れが行きそうなところを食い止める好投。「あれ以上点差を広げず、自分はゼロで抑えられたので、自分でもよくやったかなと思う」と手応えを口にした。


◆ 「平野さんのピッチングを見て…」

 八潮南高から仙台大を経て、2020年の育成ドラフト3位でオリックスに入団。

 2年目の今季7月に支配下登録を受けると、そこから19試合に登板して防御率0.81と安定感抜群の投球でブルペンを支えた。

 「後半から支配下になって、最初は点差があったりとかそういう場面で投げさせてもらっていたんですが、段々と信頼されていって、難しいところでも投げさせてもらった。自分ではすぐに難しい場面とか、勝っている場面で投げさせてもらえるとは思っていなかったので、自分でも良かったなと」と、想像以上の活躍だったという。

 そのうえで、「これからも、どの場面でも投げたい」とポストシーズンへ向けた決意を表明。負けられない短期決戦でのさらなる活躍に期待が膨らむ。


 一軍のブルペンにはたくさんの先輩たちがいるが、中でも影響を受けたのが「平野(佳寿)さんの投球」という。

 「ファームの時はフォークを決め球としてしか使っていなかったんですが、平野さんのピッチングを見て、フォークもカウント球として使えるんだと思った。フォークも高めから落としてとかいろいろ考えて、そうしたら投球フォームが固まった」と、ベテランの姿を見て学んだことが飛躍へとつながった。

 150キロ台後半のストレートに落差のあるフォークも持っているだけに、いずれは平野に続く新守護神の候補として、宇田川が浮上してきてもなんら不思議ではないだろう。


 実は2年前のドラフトの時点では、育成指名ならば入団拒否という考えもあったという。

 それでも、球団の牧田勝吾編成部副部長が真っ先に仙台大学へ挨拶に出向き、同じく育成なら拒否の意向だった佐野如一とともに練習を行っていた宇田川にアドバイスを送るなど、コミュニケーションをとるうちに2人の気持ちが変化。入団へとつながった。

 結果、2人とも晴れて支配下契約を勝ち取ったというのは、チームにとっても本人たちにとっても大きなことだった。


 投手四冠に輝いた山本由伸を筆頭に、強力な先発陣が注目を浴びる中、計6人のリレーで逆転勝利を掴んだ優勝決定試合のように、リリーフ陣の奮闘というのも連覇の大きな原動力となった。

 今季からブルペンに加わった宇田川優希は、昨年届かなかった日本一への使者となるか。ポストシーズンも鉄壁の救援陣から目が離せない。


取材・文=どら増田




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