●今回の映画、みなさんにはどう受け止めてほしいですか?
岡山:迷子になっている人が、どこを目指せばいいか、どこに焦点を当てて、どこを見つめていけばいいのか、その道標と出会うきっかけになればいいと思っていますし、そういうテーマが込められていると思っています。迷子でひとりぼっちの寂しさが、ちょっとでも埋まってくれたらいいなと思います。
福地:この映画を観て、日常の中にある小さな幸せだったり温もりだったりをちょっとでも感じてもらえたらうれしいですし、わたし自身もこの映画からもらうものがたくさんあったので、それが届いていたらいいなと思います。
■ストーリー
若くして、海辺の町にある旅館・中島荘の主を務めている中島奈々(福地桃子)。この中島荘が休業中の9月上旬、ひとりの⻘年・藤井俊太郎(岡山天音)が「どうしても泊めてほしい」と訪ねてくる。
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彼は一年前に愛する人を失い、その恋人が亡くなる直前に、この旅館に宿泊していたというのだ。俊太郎は死んだ恋人の足跡をたどるため、昼も夜も町に海にと彷徨い、歩き回る。そんな俊太郎の姿を目にしていた奈々は、この土地の案内役を買って出て、いつしか彼と行動をともにするように。この土地のことは、彼女が一番よく知っているのだ。それに彼女もまた、大切な人を失った痛みを抱えながら生きる存在でもある。こうして奈々と俊太郎は同じ時を過ごし、互いの秘密を共有し、影響を与え合うことで、それぞれの止まっていた時間はやがて動き出していく……。
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(執筆者: ときたたかし)