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アイドル×作家『1と0と加藤シゲアキ』に見た“前人未到の領域” 装丁からあとがきまで、その魅力を徹底解説

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『1と0と加藤シゲアキ』(KADOKAWA)

 NEWSのメンバーであり、小説家でもある加藤シゲアキが9月30日、作家生活10周年を記念するスペシャルブック『1と0と加藤シゲアキ』(KADOKAWA)を刊行した。

(参考:NEWS 加藤シゲアキの作家としての強さとは? 『オルタネート』担当編集者が語る才能と魅力

 加藤が責任編集を務めた本書は、「渋谷と○○」をテーマとした競作企画に恩田陸、最果タヒ、珠川こおり、深緑野分、中村文則、羽田圭介、堀本裕樹、又吉直樹という執筆陣が参加し、本人がこの10年をロングインタビューで語り尽くし、対談&インタビュー企画の再録あり、加藤が脚本、監督・主演までを務めたショートフィルム『渋谷と1と0と』の撮影現場レポートありと、豪華な内容だ。

 加藤シゲアキファンも、豪華ゲスト陣を目当てに初めてその著作を手に取る読者も、本書を味わい尽くすにはどんなポイントがあるのか。ジャニーズグループに詳しく、本書にも寄稿しているライターの佐藤結衣氏に話を聞いた。

 そもそも、歌やダンス以外にも多くの才能を持ったタレントが揃うジャニーズのなかで「加藤シゲアキ」とは、あらためてどんな存在なのか。

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「最も人間味にあふれ、最も人間離れした仕事で魅せてくれるアイドルだと思います。こんなにも葛藤する気持ちを赤裸々に表に出し、しかもそれを作品として昇華させることができる人はなかなかいません。また、『自分にはコレがある』という一芸を持つアイドルがジャニーズのなかで増えたのも、加藤さんの活躍が大きな刺激になったように見えます。グループで、あるいは個人として、大きな壁を感じたときに、自分自身で武器を見つけて磨いていく力を持つということ。それがジャニーズアイドルとして長く活躍していくために、どれほど大切な力であるのか。それを今も背中で見せ続けてくれていると思います」

 加藤シゲアキが作家デビューを果たしたのは、2012年。処女作『ピンクとグレー』は、のちに行定勲監督が映画化もした大ヒット作だが、当時は現在のように「タレントが小説を書くこと」が当たり前ではなかった。例えば、本書でも執筆している又吉直樹が芥川賞を受賞した『火花』を発表したのは2015年のことだ。加藤の作家としての10年を、佐藤氏は次のように振り返る。

「作家デビューという最初の山があまりにも高かったため、そこを見事に登りきったことに驚かされ、さらにそこから10年もの間コツコツと山脈を登り続けていることにも驚嘆です。その間にNEWSとしても様々なことがありました。そのたびにモチベーションもリセットしていくことだけでも大変なはずなのに、NEWSとしてコンセプチュアルなアルバム・コンサートのストーリー部分などを手掛け、加藤シゲアキ個人としてソロ曲の制作にも携わり、さらに作家としてコンスタントに作品も生み出し続けていくのは、常人のできることではないかと。『加藤シゲアキは何人いるのか?』と思うほどです」

 2020年に上梓した『オルタネート』は直木賞候補作となり、吉川英治文学新人賞、高校生直木賞を受賞。作家として着実に成果を残してきた10年を経て制作されたのが、本作『1と0と加藤シゲアキ』だ。ズバリ、見所はどんなところにあるのか。祖父江慎+コズフィッシュが手がけたブックデザインから注目してもらいたいと、佐藤氏は語る。

「『1と0』の『有と無』が、何色にも見えるメタリックな表紙と真っ白なカバーの対比で表されているようです。きっとこの本を何度も何度も手に取り、ページをめくるうちに、この白いカバーにその形跡(私は手汗をかきやすいので特に(笑))がついてくるのだと思うと、そこも『0→1』の『無→有』になっていくような気がして。読む側のアクションも含めて、加藤さんに構成されているような気持ちよさに思わず顔がにやけました。そして、何より、この価格とは不釣り合いなほどの情報量がすごいなと。競作、対談、解説、メイキング、脚本、詩、そして書き下ろしの短編……と、10年かけて広げられた作家・加藤シゲアキの世界がぎゅっと本の中に圧縮パックされたかのようです」

 さらに、活動を追いかけてきたファンに響くのは「あとがき」だ。佐藤氏も思わず「グッときた」という。

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