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松任谷由実、ITZY、SKE48、原田知世、DISH//……今週リリースの新譜5作をレビュー

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松任谷由実『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は10月4日リリースの松任谷由実『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』、10月5日リリースのITZY『Blah Blah Blah』、SKE48『絶対インスピレーション』、原田知世『原田知世のうたと音楽~デビュー40周年記念ベスト・アルバム』、DISH//『Replay』の5作品をピックアップした。(文:森=森朋之、松本=松本侃士)

■松任谷由実『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』

 民放ラジオ99局による「ユーミンリクエストWEEK」に寄せられたリクエスト曲とエピソードをもとに選曲された50周年記念ベスト。70年代、最新の洋楽のエッセンスを取り込んだシンガーソングライターとして脚光を浴び、80年代は社会の欲望と憧れを体現するカリスマとして君臨。その後もマイナーチェンジを繰り返しながら、この国を代表するとアーティストとして共有されているユーミンだが、年齢、ジェンダーを超えたリスナーたちの膨大な思い出が集まった本作を聴いていると、日本人の集合的無意識と呼ぶべき情感が浮かび上がってくる。全楽曲のサウンドがアップデートされ、音の解像度が上がり、没入感が増していることも、“ユーミンの半世紀”にどっぷり浸ることができる要因だ。最新のAIで再現された荒井由実との共演による新曲「Call me back」に象徴される、新しいメディアや技術をどん欲に取り入れる姿勢も彼女の魅力だろう。(森)

■ITZY『Blah Blah Blah』

 グループのコンセプトは、「EVERYTHING YOU WANT IT’Z IN US ITZY? ITZY!」(あなたが望むものはすべて私たちのなかにある。あるよね? あるよ!)。TWICEの妹分として登場したITZYは、結成当初からジェンダーによる壁、偏見、差異を乗り越えようとする意志を明確に示してきた。日本2ndシングル『Blah Blah Blah』にもそのスタンスは継続され、表題曲ではしなやかさと強さを併せ持ったトラックとともに、〈主役は誰?/そう私たち〉〈譲らない全部〉といったラインを高らかに響かせている(リリックは常楽寺澪が担当)。メンバー5人それぞれの個性を際立たせた楽曲構成、ドープなヒップホップ~R&Bを現代的なポップチューンに結びつけるクリエイティブを含め、K-POPシーンのさらなる進化を実感できる楽曲だ。(森)

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■SKE48『絶対インスピレーション』

 今作は、劇場デビュー14周年記念日に発売される30枚目のシングルであり、今後のSKE48の未来を明るく照らし出すような重要な作品となっている。乃木坂46「君の名は希望」「サヨナラの意味」などの作曲を手掛けた杉山勝彦による表題曲「絶対インスピレーション」でセンターを担うのは、9期生の青海ひな乃。彼女が表題曲でセンターを担うのは今回が初めてであり、着実に進みつつあるグループの世代交代を象徴する抜擢となっている。MVでは、青海が悪役として他のメンバーと対峙する展開になっており、終盤で青海の手を引きセンターの座に導くのが、卒業を間近に控えた須田亜香里だ。長年にわたりグループを牽引し続けてきた最年長メンバーの須田の卒業は、SKE48にとって大きな転機となる。しかし、何事にも全力で打ち込むSKE48の精神性はしっかりと次世代メンバーたちに継承されていて、だからこそ須田は、迷いや後悔なくグループを卒業することができるのだろう。青海の手を引く彼女の晴れやかな笑顔が、そうした思いを物語っているように感じる。数々の逆境を乗り越えて、この先、SKE48はもっと強いグループへと成長していくはずだ。(松本)

■原田知世『原田知世のうたと音楽~デビュー40周年記念ベスト・アルバム』

 デビュー曲「悲しいくらいほんとの話」、スターの座を掴むきっかけになった「時をかける少女」、アーティストとしての個性を発揮しはじめた「早春物語」から川谷絵音のプロデュースによる「ヴァイオレット」まで、デビューから40年間の軌跡を追体験できるオールタイムベスト。鈴木慶一、トーレ・ヨハンソン、伊藤ゴローといったプロデューサー陣とともに作り出してきた楽曲は、洗練とアンニュイが混ざり合うヨーロッパ的な雰囲気をまといながら、まさにタイムレスと呼ぶべき魅力を滲ませる。中心にあるのは、決して大仰にならず、過度な生々しさを丁寧にろ過した品のいいボーカル。着慣れたオーガニックコットンのハウスウェアのように、耳と体に優しいサウンドメイクも一貫している。(森)

■DISH//『Replay』

 8月27日、富士急ハイランドコニファーフォレストで開催された単独野外ライブで、本編のラストという重要な位置づけで披露されたのが、今回の新曲である渾身のロックバラード「Replay」であった。筆者は会場で同曲の生パフォーマンスを観て、この曲に込められた4人のまっすぐな想いに触れた。この曲を披露する前に、北村匠海(Vo/Gt)は、「過去は絶対に取り戻せない。今、世の中がどんな状況であっても、自分に素直に、泣いたり悔しがったりしてもいいから、今を大事にしてほしい」と語っていて、そのメッセージは、同曲のラストの〈かけがえのない明日へ/行こう〉という未来志向の言葉に重なるものであった。このメッセージは、他でもないファンのために紡がれたものではあるが、同時に、彼ら4人が自分たち自身に向けて綴った決意の言葉のようにも読むことができる。現在、結成10周年イヤーを駆け抜けている彼らは、過去を振り返ることなく、新しい挑戦を重ねながら次の10年へ向けて踏み出し始めている。彼ら自身の背中を優しく押すような同曲は、ここから幕を開けるDISH//の第2章の物語において大切な存在になっていくと思う。(松本)

 
   

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