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中日・福敬登 取り戻した真っすぐのキレ/復活を遂げた男たち

週刊ベースボールONLINE


福敬登

 4年連続50試合登板は逃した。今季は二軍落ちも経験した。2020年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを手にしたセットアッパー。だが、シーズン終盤に来季期待できる働きを見せた。

 9月17日のヤクルト戦(バンテリン)の延長12回表。二死でベンチは藤嶋健人から福敬登にスイッチ。打席は主砲・村上宗隆だった。対左でつぎ込まれてこその、与えられた役割。いったんはなくなった居場所に戻った。

 立浪和義監督は「どんなピッチャーもストレートの威力がないと抑えられないですから。本人も分かっていたと思う。練習して工夫して、そこの球威が戻ってきたのが一番なのかなと思います」と分析する。

 シーズン序盤、速球のキレは散々。5月上旬の防御率は11点台。二軍に降格した。プレートの三塁側を使っていたのを、一塁側にした。速球も10キロ近く戻り、140キロ台後半になった。苦労は使い続けたオレンジ色のグラブに別れを告げ、黒にしたことにも表れる。

 プレートの三塁側を使い、ヒジを下げて変化球を大きく曲げる。そうすれば一定の確率では抑えられる。ただ、真っすぐが走らないといずれ限界は来るのだ。

「チームの中で僕の特徴を見つめ直して、もう一度つくりました」。やはり、一番は真っすぐ。6月下旬に一軍昇格。7、8月は16試合で失点2。8月中旬からの1カ月間は10試合連続無失点もマークした。ロドリゲス、R.マルティネスにつなぐ一角。来季は勝利の輪の中で少しでも多く笑いたい。

写真=BBM
 
   

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