聖光学院・山浅は「夏の甲子園でもひっかけることが多かった」という外角中心の配球で攻めたものの、この試合は捉えられ、甲子園からの進化を感じたとともに打席でのオーラも違ったという。
村上本人は「どこに対してもフルスイングすることはもちろんですが、外角に対してはレフト方向に打つことを心掛けています」。常に素直に打ち返すことは意識しているが、「甲子園ではうまくできなかった」と振り返る。
その結果に悔しさを感じ、「何かを変えないといけない」と危機感を覚え、新チームの練習にまじってティー打撃などで、とにかくフォーム改善に着手した。
構えた際にあまり動かず、グリップの位置を高めてミートポイントまでロスなく最短距離で叩くこと。この2つに焦点を置いて取り組んできた。また「普段から木製バットを使っている」と、インサイドアウトでバットを出すことを継続してきたことで、対応力が高まるだけではなく、逆方向にも飛ばせていると分析する。
平井監督は村上の姿を見て「重圧からも解放されて、継続してきたことが少しずつつかみつつあると思います」とさらに才能が開花しつつあることを予感していた。村上は今後に向けて「全方向に長打が打てることや、チームバッティングができるのが強みだと思いますので、あとは守備などフットワークをしっかりして、より一層いい選手になれるように頑張ります」と意気込んでいたが、さらに成長した姿をどこで見せてくれるのか。
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この試合の翌日、「宗にい」と慕う兄・宗隆は三冠王、そして日本人最多本塁打の56号に到達した。さらに注目度は増したが、村上 慶太の成長からも目が離せない。
(記事=編集部)