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リーグ優勝の可能性が消えた法大。だが主将・齊藤大輝は「後輩に何かを残したい」と決意を示す

週刊ベースボールONLINE

先輩からつながれてきた伝統



法大は明大2回戦[10月2日]で連敗。1勝5敗となり、リーグ優勝の可能性が消滅し、加藤監督[右]は試合後、厳しい表情で振り返る[左は齊藤主将]

 法大が目指すは「品格の良いチーム」。勝負の世界であり当然、結果が求められるが、2021年春から母校を指揮する加藤重雄監督は、試合までの「過程」の大事さを訴えてきた。

 今秋のリーグ戦開幕を前にし、加藤監督は学生たちの動きから、一つの手応えを得ていた。

「練習開始前、朝8時前に4年生が率先してグラウンド周辺の雑草抜きをしていた。主将の齊藤[大輝、4年・横浜高]を中心とした最上級生の取り組みが、チームカラーになってきた。4年生が後輩たちに財産を残してくれている。こうした姿勢がプレーにつながれば、監督として、それ以上のことはないです」

 そして、こう続けた。

「勝っても負けても、応援していただいている皆さんから、喜ばれる野球をしたい」

 しかし、勝負の世界とは、厳しいものである。法大は早大との開幕カードで連敗し、立大とは1勝1敗(未消化分の3回戦は10月4日)、明大にも連敗を喫して、第4週でリーグ優勝の可能性が消滅してしまった。

 尾崎完太(3年・滋賀学園高)、吉鶴翔瑛(2年・木更津総合高)の左腕2人を先発に起用し、リードした終盤に157キロ右腕・篠木健太郎(2年・木更津総合高)で逃げ切る構想を描いていた。だが、打線に元気がなく、主導権を握れず、思いどおりのさい配が実行できなかった。負ければV逸となる「背水の陣」(加藤監督)と位置づけた明大2回戦(10月2日)は篠木を初先発に起用も、5回5失点と試合をつくれなかった。法大は1対9で大敗。この日も6安打、6試合で13得点、チーム打率.181と深刻な状況が続いている。

 東京六大学リーグは説明するまでもなく「対抗戦」だ。リーグ優勝の可能性がなくなっても、各対戦校に全力で挑み、勝ち点を奪いにいく。先輩からつながれてきたその伝統は、絶対に譲れない。主将・齊藤は決意を語る。

「チームスローガン『一心』を掲げてやってきました。残り3カード。後輩たちに何かを残したい。応援していただいている方を含め、勝利という喜びを共有したいと思います」

 加藤監督も相当な覚悟で、残り試合を戦う。

「明後日(4日)には立教戦も控えており、落ち込んでいる場合ではありません。応援してくれる人がいる。全力で最後まで、見ていただく方のためにも、法政らしい強さを取り戻さないとダメだと思います。良いチームで、4年生を中心にまとまってきている。もう1回、練習して、勝ち点3を取り切りたい」

 4年生が築き上げてきた「財産」を「形」として残す――。何が何でも勝ち点3。法大としての意地とプライドを見せていくしかない。

文=岡本朋祐 写真=BBM
 
   

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