2023年春に全国公開される松山ケンイチ主演映画『ロストケア』の主題歌が森山直太朗の新曲「さもありなん」に決定し、あわせて特報映像が公開された。
本作は、第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した葉真中顕のデビュー小説『ロスト・ケア』を実写映画化するヒューマンサスペンス。42人もの人間を殺めた連続殺人犯とその事件を担当する検事が取り調べを通じて対峙し、なぜ彼が大量殺人を犯したのかという真相に迫る。『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『そして、バトンは渡された』の前田哲が監督を務め、『砂の器』(TBS系)、『ストロベリーナイト』(フジテレビ系)の龍居由佳里が、前田と共同で脚本を書き上げた。
公開された本作初の映像では、主人公の心優しい介護士であり連続殺人犯・斯波(松山ケンイチ)と真相を追う検事・大友(長澤まさみ)が対峙する緊迫のシーンが収められている。「僕は42人を“救いました”」と語り、自分のしたことを「殺人」ではなく「救い」だと主張する斯波は白髪でただならぬ過去をもつような佇まいとその信念をもった真っ直ぐな目つきで大友に言葉を浴びせる。大友は斯波の一つ一つの言葉に押されながらも正義を貫き通すため反発する証人尋問シーンが特報映像で描かれている。
そして、本作のために書き下ろされた森山の新曲「さもありなん」は、アコースティックギターの繊細な音色が印象的なバラード。森山本人が「普遍の優しさから生まれた一曲」と語っている。
【動画】映画『ロストケア』特報 (2023年3月全国ロードショー)
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■コメント
・森山直太朗
前田監督からお話をいただき「さもありなん」という曲ができました。
介護という一つのテーマでも生きている人の数だけ無数の問題と途方もない答えがあって、何が善で悪なのかはそれぞれ倫理観、置かれている立場によって異なります。
大切なのはその「異なり」を寄り添い見守ること。
是か非か、ありか無しかを問い合うより無意識の視点で相手の想いを感じること。
「さもありなん」はそんな普遍の優しさから生まれた一曲です。
泡と化す宇宙の言葉。境のない世界になることを願いながら。
・前田哲監督
森山直太朗さんに、映画のイメージを掴んでもらうため編集前の一部の映像をご覧いただきました。
森山さんは映画のテーマを深いところで感じとられ、私が思い描いていたものからさらに飛躍させた素晴らしいアイデアを提案してくれました。
森山さんが映画と真摯に向き合ってくださった結果。
映画を大きく包み込んでくれた、真の意味での映画主題歌を作ってくれました。
私は初めて聴いた時の、心にゆっくりと沁みていき魂が解き放たれる感覚を一生忘れません。
森山さんに出会えたことは、映画にとっては必然であり、私にとっては感謝とともに貴重な同志を得た気持ちです。ありがとうございました。
・有重陽一プロデューサー
2025年、団塊の世代と言われる800万人が75歳以上となり、国民の4人に1人が後期高齢者となる日本は超高齢化社会を迎えます。そんな時代だからこそ 介護、親子という題材を真正面に見据えた映画を製作したいと思いました。映画では答えの見えない問題を描きつつ、それでも生きてゆくという希望を感じてもらいたい。そんな話を監督とする中で主題歌は森山直太朗さんに是非お願いしたいと思いました。森山さんに書き下ろしていただいた楽曲「さもありなん」は我々の理想の楽曲であり、ラストに流れるこの曲が必ずや観客の心を癒してくれるだろうと思っています。