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盛り上がる熱パ優勝争い最終戦。前夜のソフトバンク若手バッテリーの涙に思ったこと/川口和久WEBコラム

週刊ベースボールONLINE

迷いがあったのかもしれない



山川のサヨナラ本塁打で西武が勝利

 鳥取での初めての稲刈りは終わったものの、農業というのはエンドレスで、まだまだやることがたくさんある。

 毎日、バタバタしているが、今は野球解説者との二刀流だ。10月1日は福岡のRKBラジオの仕事で、ベルーナドームの西武─ソフトバンク戦を解説した。

 関東の試合は、アナウンサーも関東のアナウンサーがすることが多いが、優勝決定の可能性濃厚とあって、この日は福岡から重鎮・櫻井浩二君が来て、熱い、いや熱すぎるくらいの絶叫実況。俺もその熱にあおられ、さらに優勝決定の解説ができたら光栄と、張り切って解説をしていた(断っておきますが、いつも張り切っていますけど、ほんの少しテンション上がってました)。

 ソフトバンクが勝つか引き分けでも優勝という試合だったが、ソフトバンク・千賀滉大、西武・松本航と両軍先発の好投もあって投手戦になり、1対1のまま延長11回裏西武の攻撃を迎えた。

 ここで登板したのが藤井皓哉だ。それまで54試合に投げて防御率0.81、しかも17試合連続無失点中で、優勝すればMVPもあるかと言われる存在だ。力のある真っすぐは150キロ台後半、フォークの落差も千賀並みの好投手で、まずは簡単に二死を取ったが、いつもより少しフォークが多めかなと思って見ていた。

 途中から出場した捕手の海野隆司が、きょうはフォークがいいという判断だったとは思うけど、次の森友哉にもフォーク中心でセンター前に運ばれ、二死一塁で山川穂高。もともと山川はソフトバンク戦ではよく打ち、調子も上げている。この日も千賀が2四球を出しているように、正捕手の甲斐拓也もかなり警戒したリードをしていた。

 フォークは連投していくと失投も交じってくる球だ。もう少し真っすぐを増やしてもいいかと思ったし、もっと言えば次は滝澤夏央で、たぶん代打だったとは思うが、引き分け狙いなら、歩かせてもいいかなと思って見ていた。

 しかし、やはりフォーク主体の攻めでカウント2-1からサヨナラ2ラン──。

 こういう場面、ピッチャー心理は難しい。よく際どいコースを投げ、カウント次第で歩かせてというが、それだとどうしても迷ってしまい、いい結果が出ないことが多い。どういう指示が出ていたのか分からないが、捕手が甲斐ならカウントが2-1となった時点で無理をせず、歩かせたんじゃないかと思った。

 まさに修羅場だ。若いキャッチャーが決断するのは簡単じゃない。ベンチがもっとはっきりと指示をしてやるべきだったかもしれない。

 試合後、バッテリー2人が大号泣し、あの場面で彼らが受けていた重圧をあらためて感じた。でも、誰だって最初から経験豊富なわけじゃない。何度も痛い目を見ながら成長していく。次につながる涙だと思う。

 これでパの優勝争いは、きょう決定となった。ソフトバンクはロッテに勝つか引き分けで優勝、負けてオリックスが楽天に勝てばオリックス優勝。いずれにせよ、劇的だ。

 両者の対決は2014年10月2日、勝てばソフトバンク優勝、負ければオリックスにマジック1という直接対決が思い出される。結果的にはソフトバンクがサヨナラ勝ちし、マジック点灯なしで優勝を飾ったが、果たして、今年はどうなるか。

 きょうは鳥取に戻っているが、早めに田んぼの仕事を終わらせ、テレビで観戦させてもらおう。テレビが2台ほしい夜だね。

写真=BBM
 
   

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