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浦和Lはなぜ0-3からの大逆転劇を演じられたのか。塩越柚歩は「お客さんを楽しませるプレー」にフォーカス【WEリーグカップ決勝】

SOCCER DIGEST Web

 10月1日、記念すべき第1回目の「WEリーグカップ」の決勝戦が味の素フィールド西が丘で開催された。

 6チームで行なわれたグループAを一位通過した三菱重工浦和レッズレディース(以下、浦和L)と、5チームで争われたグループBを一位通過した日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下、ベレーザ)。首都圏のライバルチーム同士の戦いは、点の取り合いになった。

 静かな立ち上がりから、浦和Lが主導権を握るかに見えた前半だったが、先手を取ったのはベレーザ。大会得点ランキング1位になった植木理子が前半のうちに2ゴールを奪い、72分にも、村松智子が3点目を奪う。

 WEリーグ発足後、まだタイトルを手にしていなかったベレーザが、ようやく栄冠を手に入れるかに見えたが、浦和Lはここから、信じられないような粘りを見せる。

 サイドハーフでプレーしていた清家貴子を前線に上げ、シンプルに前へボールを入れ始めると、“緑”から“赤”へとピッチ内の信号が変わった。75分、清家がスピードを発揮して、左サイドから長い距離をドリブルで持ち込んでのゴールで反撃の狼煙をあげると、76分、畳みかけるように猶本光のコーナーキックからの混戦で安藤梢が押し込んで1点差に詰め寄る。

 そして、84分、相手選手のハンドで得たPKを、昨季のリーグ得点女王・菅澤優衣香が決めて、追いついた。試合は3-3で終了。規定により、延長戦はなく、そのままPK戦へ。2人が失敗したベレーザに対して、4人全員が決めた浦和Lが勝利。新たに創設された大会を制した。

 浦和Lの楠瀬直木監督は、2点を追いかけるハーフタイムでも「2失点までなら」という手応えはあったという。このWEリーグカップの6試合(決勝含む)を戦って浦和Lは15点を挙げたが、その過半数の8点が75分以降に生まれている。
 
 ゲームをコントロールしながら勝負どころまでスタミナを残せれば、チームが前傾姿勢になった時に、必ずゴールを奪えるという自信が満ちている。

「内容や完成度は高いものではなかったのかも知れないですけれども、そういう勝負強さみたいな部分は出てきているんじゃないか」と清家。

 ボールを動かす部分に重点を置いていた昨年のサッカーに、バイタルエリアの崩しのバリエーションが加わり、さらに力強さを増している。得点には至らなかったが、浮き球2つを交えたきれいな崩しから、猶本がシュートを放った52分の場面もその1つだ。

 また、イタリアのローマに移籍した南萌華など昨季までのレギュラーがいないなか、出場機会の少なかった若手を起用し、このカップ戦で成功体験を積ませることもできた。ある程度、メンバーを固定していた昨季は、レギュラーとそれ以外の選手で、試合中の連係や試合勘に差が見えた。その解消もリーグ戦に向けて、大きな収穫と言えるだろう。
 
 この日の観客は3,546人。関東の強豪同士の対戦で、アクセスがそれほど悪くない西が丘の開催。天気も良く、併設イベントが開催されていたことを考えれば、もう少し入ってもらいたかった。

 浦和Lの塩越柚歩は現状を踏まえ「去年のリーグ戦を通しても3,000人を超える試合というのはなかなかなかった。こうやって面白い試合を続けていかないと、観客の方もなかなか来てくれない。まずはピッチ上でお客さんを楽しませるようなプレーをしっかりやっていきたい」と語った。
 
 ミラクルを呼び込んだ清家は、3点のビハインドになった瞬間、「正直、きついかな」と思ったが、観客席のサポーターから「『簡単にはあきらめさせてくれない空気』をヒシヒシと感じた」という。素晴らしいプレーを見せる選手と、熱を込めて見守る観客は、試合を盛り上げるうえでは車の両輪に近い関係で、どちらが欠けても難しい。

「それぞれのチームの魅力が伝わっているんじゃないかなと思った」と現地を訪れた髙田春奈チェア。6ゴールが飛び交う、ドラマチックなゲームを見た観客が、リピーターとしてスタジアムに戻ってくることを期待したい。

取材・文●西森彰(フリーライター)

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