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ヤクルト・村上宗隆が三冠王に正念場 「36歳のライバル」に驚きの声が

週刊ベースボールONLINE

ベテランのチャンスメーカー



安定したバッティングを発揮している大島

 ヤクルト・村上宗隆が「令和初の三冠王」に向け、試練を迎えている。

 9月13日の巨人戦(神宮)で9回に守護神・大勢から左中間に3ランを放ち、128試合目で王貞治氏の日本選手最多タイ記録に並ぶ55号をマーク。残り15試合で日本選手最多本塁打、ヤクルトのウラディミール・バレンティンが2013年に樹立したNPB記録の60本塁打超えへの期待が高まったが、ここから苦しんだ。12試合で44打数5安打と快音が聞かれなくなり、57打席ノーアーチ。本塁打、打点はリーグトップを独走するが、打率は.317まで下がり、2位の中日・大島洋平は打率.315と2厘差まで迫ってきた。

 6年ぶりの最下位が決まった中日で、大島の奮闘ぶりが光る。今年は決して順調なシーズンではなかった。3、4月は打率.354と好スタートを切ったが、4月27日の阪神戦(甲子園)で右ヒザに死球を受けて途中交代。打撲で登録抹消され、5月20日に一軍復帰するが実戦から離れたブランクで打撃に狂いが生じたのだろうか。31日の楽天戦(バンテリン)から4試合連続無安打で打率.272まで下がった。だが、シーズン打率3割を5度マークしている巧打者は修正する術を心得ている。6月以降は再び安打を量産。月間成績を見ると6,7月は打率.333、8月は打率.348、9月は打率.292と安定して打ち続けている。

 立浪和義監督に今年から野手キャプテンに指名された36歳のチャンスメーカーは衰え知らずだ。

 中日を取材するスポーツ紙記者は、こう語る。

「大島のすごいところは年齢を重ねて、さらに数字を伸ばしていることです。34歳シーズンの19年から2年連続最多安打のタイトルを獲得し、昨年も160安打をマークしている。手元まで引き付けて巧みなバットコントロールで広角に安打を量産できるのは、スイングスピードが速いから。普段はマイペースに見えるが、練習量がすごい。自主トレに同行した若手たちが舌を巻くほどです」

若返りが図られる中で


 名古屋市で生まれ育った大島は大学、社会人を経て24歳のときにドラフト5位で中日に入団。鳴り物入りの存在ではなく、同学年でロッテのドラフト1位に指名された荻野貴司のほうが注目度が高かった。入団会見では結婚して生まれたばかりの長男を抱えて写真撮影。「小さいころからあこがれていた球団に入団できてうれしい。開幕一軍で出場できるように頑張りたい。できるだけ早くレギュラーをとりたい。将来は立浪さんのように40歳まで野球を続けたい」と誓っていた。

 あれから13年の月日が流れた。大島と同学年の「85年世代」で現在もNPBでプレーしているのは荻野、日本ハム・宮西尚生、広島・松山竜平、ソフトバンク・グラシアル、明石健志、広島・白濱裕太。明石は今季限りでの現役引退を発表している。各球団で若返りが図られる中、大きな故障もなく毎年不動のレギュラーとして活躍し続ける大島のすごさが際立つ。

日本人最年長首位打者へ


 通算1884安打で、名球会入りの2000安打まで残り116本。来季中に大台到達は確実でキャリアの通過点に過ぎないだろう。意外なことに大島は首位打者を獲得した経験がない。36歳で巡ってきたタイトル獲りのチャンスに期する思いが強いだろう。NPBの最年長首位打者は大洋・ミヤーン、巨人・クロマティ、楽天・リックの3人で当時36歳。いずれも外国人だ。大島が逆転で首位打者を獲得すれば、日本人では最年長首位打者の記録を樹立する。残りの試合は最終戦・広島戦(マツダ広島)のみ。22歳の強打者・村上の三冠王を阻止することができるだろうか。

写真=BBM
 
   

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