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【連載】「MINAMOの話をきいてミナモ?」 第7回 結論や正解がない恋愛とはなんなのか

MOVIE WALKER PRESS

いま人気急上昇中のAV女優、MINAMOが愛する映画や本、音楽、さらには自身の様々なことを語る連載「MINAMOの話をきいてミナモ?」。第7回は、語っても語り足りない恋愛について語っていただきました。

■恋愛について、どれほどの人が悩み、多くを語り、無数の恋バナを聞いてきたのだろうか
正解のない問題について議論するのが大好きな私は、毎日のように恋バナに花を咲かせている。

趣味はもちろん映画、読書、レコードの3つだが、「スナックでオヤジにチヤホヤされること」と「恋バナ」も大好きだ。「浮気ってどこからですかね」「好きになった人がとんでもなくクズだったらどうしますかね」「好きになったらどう行動しますかね」と、そんな話をまあ飽きもせず毎度くっちゃべっているわけで、他人の恋愛観を聞いて、いろんな議論を繰り返していくうちに「そもそも恋愛ってなんなの」という地点に到達する。

人類史が始まって以来、恋愛について、どれほどの人が悩み、多くを語り、無数の恋バナを聞いてきたのだろうか。今さら、私が誠実に恋愛観を語ったとて、どこかで聞いたような話になるに違いない。それほど、恋愛について世界中で話し尽くされているのだ。皆が相談し、考え合っているのだ。それでも実りのある結論には未だ至っていない。そういうことなのだろうと思う。

いったい私の恋愛観はどんなもんやと考えた時、一貫性のない過去の恋愛や当時の自分が頭の中で飛び交い、ゴチャゴチャになってしまった。クールダウンのためにひとまず心理テストをしてみることにした。それはGoogleで「恋愛観 心理テスト」と調べればすぐに出てくるもので、3分ほどで結果が出た。3分で人の恋愛観なんて分かるものかと思いつつ、少し高揚した気持ちで「結果を見る」というボタンをタップする。すると、「恋愛をすると相手の好みや態度に合わせてカメレオンのように自分を変える」と書いてある。あながち間違いでは無い。さらに「恋愛観においては、基本的に自分が輝けるかどうかが何よりも大切」となんとも痛いところを突いてきた。そうです。私は自分が輝いてなんぼと思っています。すみません。


■私は過去の私にたくさんアドバイスをもらった
自分の恋愛遍歴を辿ったところ、昔は追っても追ってもこっちなんか見てもくれない人が好きで好きで仕方なかった。だが、そんな恋愛でボロ雑巾のようになった私がいた。おかげでいくら身があっても足りないとやっと学んだ。酷い扱いを受けた経験があったからこそ、昔はつまらないと感じていた「優しい人」を好きになれるようになった。

私の中で失恋とは「実らなかった恋愛」だと思うのだ。それでいうと私の過去の恋愛のほとんどは失恋であろう。「あなたのことが好きなんだ」と、その一言が言い出せなくて終わってしまった恋もあった。逆に、「私のこと好き?」とずっと聞き出せずに終わってしまった恋もあった。

恋愛をする度に「こんなはずじゃなかった」「本当に恋愛が向いていない」「もう恋愛なんかしない」などとわめきだす私は、まだまだ青い。あと何年経てば恋愛の全てが分かるのだろう、いつになったら恋愛上手になれるのだろうと、一つの恋愛が終わる度に思うのだ。私は本来、『耳をすませば』(95)や、細田守監督の『時をかける少女』(06) のような恋がしたいのだ。だが現実はそううまくはいかない。恋愛のいろはを教えてくれるのは、映画でも本でもアニメの主人公でも親でも年上の友達でも誰でもない。背中を押してもらったり傷を癒してはくれるが、結局は自分自身であろうと私は思う。現に私は過去の私にたくさんアドバイスをもらったのだから。

「すごく優しい人」と皆が口を揃えて言う人とも、同性に人気のある人とも、年上に好かれる人とも、異性にモテる人とも、性別関係なくモテる人とも付き合ってきたが、どの人が一番良かったなんて無い。つまり、正解が分からない。正解が無いというのが正解なのかもしれない。


■自分の新しい窓を開けようとまた誰かを好きになってしまうのかもしれない
「”ジョハリの窓”って知ってる?」とスナックのオヤジが酒臭い息を吐きながら問いかけてきたことがある。そのオヤジが言うには、人には4つの窓があるという。「開かれた窓」は自分も他人も知っている自分のこと。「秘密の窓」は自分だけが知っていて、他人には知られたくない自分のこと。「盲点の窓」は他人は知っているが、自分では気づいていない自分のこと。「未知の窓」は自分も他人も知らない自分のこと。へえ、4つも窓があったのか。そう言われたらそんな気がした。

恋愛する度に開くのはどの窓か。他人と濃い時間を過ごし、強く愛されたいと思う時、自分はこんなに酷かったのかと思うことがある。あいつ自分では気づいてないけれど、最低なこと私にしているよと思うこともある。どの窓が開いたら幸せな恋愛なのか、それは誰にも決められない。つらい恋の終わりがあっても、新しい窓を開けようとまた誰かを好きになってしまうのかもしれない。

自分が嫌いでたまらなくなった日も、泣くのは明日だと我慢した夜も、別れ話をした後の彼の枕にできた涙のシミも。彼のために作ったアルバムも、好物だった生姜焼きを作れるようになったことも、全部全部全て愛おしい私の思い出だ。数年後か、数十年後に何か物を見たり、聞いたり、どこかへ行ったりした時、「そういえばあんな自分がいたな、あの人のこと大好きだったな、最低な奴だったな」そう思えればいい。

そういえば、aiko大先生の恋愛ソングでどれが好きかでどういう恋愛をしてきたかが分かると、これまたスナックのオヤジが言っていた。私が「明日の歌」が好きだと言うと、「独占欲強めだね」とただ一言鼻で笑いながら言われたのを強く覚えている。あのオヤジ、絶対に許さない。


秋になり、やがて冬になる。気温が下がってくるとだんだん人は人肌恋しくなる、らしい。いっときのその寂しさを、適当な誰かで埋めるもよし、1人でいるのもよし、勢いに任せて想いを伝えるのもよし。毎年恒例の冬の寂しさに耐えるため、私の酒量は増えていくのであった。もちろん、つまみは恋バナである。

 
   

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