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【ネタバレ】映画『ONE PIECE』議論になったウタの結末 脚本家が「出た、負け惜しみィ~!」に込めた思い

シネマトゥデイ

今日はウタの誕生日! - 画像は『ONE PIECE FILM RED』より – (C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 8月6日の公開から45日間で、興行収入150億円を突破する記録的ヒットを打ち立てている『ONE PIECE FILM RED』。人気キャラクター・シャンクスと世界的歌姫となった“娘”ウタを巡る感動の物語を紡いだのは、日曜劇場「マイファミリー」や実写映画『キングダム』などで知られる脚本家・黒岩勉だ。『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)以来、二度目の『ONE PIECE』映画に参加した黒岩がリモートインタビューに応じ、総合プロデューサーを務めた原作者・尾田栄一郎との脚本作業や、話題のセリフに込めた思いを語った。(以下、映画のネタバレを含みます)(取材・文:編集部・倉本拓弥)

同世代が共感できるキャラクター作り

(C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

Q:『ONE PIECE FILM RED』の脚本は2年かけて執筆したということですが、そもそもの出発点はどこからだったのでしょうか?

プロデューサーから「『FILM GOLD』に続いて、またやりませんか」とお誘いをいただきました。「尾田さんが良ければ、僕は嬉しい限りです」とお答えして、尾田さんも「ぜひ!」とのことでしたので、参加することになった次第です。 二度目の劇場版『ONE PIECE』で実感したのは、総合プロデューサーの尾田さんは本当に船長みたいな存在なんですよね。僕は航海士として尾田さんが「ここまで行くぞ」と決めた目的地への航海図を書いて、尾田さんが大勢の船員を集めて出航する。みんなで船に乗っている感じで面白いです。素晴らしいスタッフの方たちが集まり、谷口悟朗監督が見事な舵取りをしてくださり、本当に感謝しかないです。

Q:脚本執筆の際、尾田先生からオーダーされたことは?

物語に関して、最初はいろいろな方向性で検討されていました。ルフィたちがいわゆる最強の敵に立ち向かうようなプロットもあったのですが、ある時、尾田さんから女性キャラクターを麦わらの一味と対立させる存在として持ってきてほしいというオーダーがありまして、新しい『ONE PIECE』映画を作るんだなという気概を感じました。そこから、尾田さんや谷口監督、プロデューサー陣と細かいプロットに関するやり取りをさせていただきました。

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Q:シャンクスの“娘”ウタについて、黒岩さんが求めたヒロイン像を教えてください。

今までの『ONE PIECE』映画では、初出の敵キャラクターが相当強くないといけない、元海軍大将や元大海賊といった原作に紐付いた肩書きがないと、一発で強敵だと区別させることが難しかった。それらを踏まえて今回、ウタがどうやって麦わらの一味と対等に渡り合えるかを考えるのが、最初のミッションでした。それでウタウタの実によって“ウタワールド”に連れていけば、最強であるという設定になっていきました。そんな中でウタは、同年代の人たちが「こういう子いるよね」「ちょっと分かるかも」と共感が持てる存在にしたくて、今のキャラクター像になりました。いわゆるYouTuberやインフルエンサーとして生きているけれども、見えないところでは孤独や寂しさを抱えている人であれば、今の若い人たちにも共感を得られるのではと思いました。等身大で、信念や覚悟を持っていて、同世代にも共感してもらえるヒロインになれば、という思いを込めています。

「出た、負け惜しみィ~!」があるからウタの深さが出た

(C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

Q:原作漫画でも謎が多い赤髪のシャンクスは、脚本にどう落とし込んでいったのでしょうか?

シャンクスについては尾田さんしか正解を知らないわけで、ここからは僕の想像でしかないのですけど、世の中の闇と光の部分の両面をきちんと知っている人物だと解釈しています。シャンクスはルフィたちよりもずっと大人で、清濁併せ呑んで生きてきていたキャラクター。ルフィにとってあこがれの海賊ではあるけど、海賊なのでいい面だけではなく後ろ暗い部分は持っていると思うんです。そこに、素晴らしい歌で人々を感動させることができるウタという“純粋な善”がいた時に、彼女に対して「お前は俺のようにならないで、純粋な光になれ」と言える関係になれば、シャンクスの深みが出るような気がしました。

Q:シャンクスとウタの親子関係を描く際に気をつけたことは?

ウタも海賊を目指していたので、可愛い女の子と優しい父親というよりは、同じ海賊団の仲間として対等の関係を目指しました。『ONE PIECE』の世界は、どんなに強くても自分中心に世界が回らない不条理さや残酷さがあって、そこがリアルで素晴らしい。シャンクスは平和や平等なんてものは存在しないということをわかっていて、その不条理から娘を必死に守ろうとするシャンクスと、平和や平等を願うがゆえに不条理な行いをしてしまうウタ、すれ違う二人の関係性を表現できればいいなと思いながら執筆しました。

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