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早川書房「HAYAKAWA FACTORY」担当者が語る、攻めたSFアイテムを生み出し続ける理由

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 早川書房は、永遠の名作の商品化というコンセプトでHAYAKAWA FACTORYというブランドを展開し、好評を得ている。2018年7月に第1弾としてレイ・ブラッドベリ『華氏451度』、ジョージ・オーウェル『一九八四年』などSF関連Tシャツ9種を発売して以来、トートバッグ、マグカップ、ノート、ブックカバー、マスクなどアイテム数を増やしてきた。同社刊行のSFやミステリなどの翻訳小説をモチーフにグッズ化するだけでなく、最近では、SF作品がもたらす感動を表現した言葉「センス・オブ・ワンダー」をもじった商品「扇子・オブ・ワンダー」も評判になった。このブランドはどのように育ってきたのか、担当者の山口晶氏に話を聞いた。(円堂都司昭/9月14日取材・構成)

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■始まりは『電気羊』Tシャツから

――このプロジェクトは、いつからスタートしたんですか。

山口:HAYAKAWA FACTORYのなかでも一番売れているフィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(映画『ブレードランナー』の原作小説)のTシャツは、もともとは同作のハヤカワ文庫版のデザインを担当した土井宏明さんからの熱烈な提案があって2014年に具体化したんです。我々としても、書籍以外の商品販売をやりたいと考えていたところで、『電気羊』Tシャツは売れましたから、こういうところに鉱脈がありそうだと思いました。2017年にはスタニスワフ・レム『ソラリス』(2度映画化されている)をTシャツにしてこれもよく売れました。

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 それで2018年7月下旬にブラッドベリの『華氏451度』と『火星年代記』、オーウェル『一九八四年』、ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』、「宇宙英雄ペリー・ローダン」シリーズなどのTシャツを販売し、評判がよかったので続けてやることにしました。

「TOKYO HAYAKAWA FACTORY」というロゴをちゃんと使い始めたのもこの頃からです。早川書房の本には「TOKYO HAYAKAWA BOOKS」というロゴが昔からありますし、ちょっと変えて使えば統一性もある。あと「TOKYO」と入ると、どこかブランドっぽいでしょ、「MILANO」、「PARIS」、「LONDON」みたいで(笑)。そうして始めてみたらギャグ的にもウケた感じです。

――『電気羊』Tシャツ以前は、例がなかったんですか。

山口:僕は変わったものが好きで、ポケミス手帳というものを作ったことがありました。ポケミスの愛称で知られるハヤカワ・ポケット・ミステリという新書サイズのレーベルが当社にありますが、創刊60周年の2013年にその手帳版を出したんです。これもわりと売れた記憶があったので、土井さんからの申し出もあり、次にTシャツをやろうという流れになったんです。

――HAYAKAWA FACTORYのラインナップは、出版社として従来はあつかわなかった商品ですが、販路に関しての取り組みは。

山口:最初は、やはり販路をどうしようかということはあったのですが、逆に出版取次のトーハンさんから「なにかやりましょう」と話があったのも契機になっていました。近年、取次は、書籍以外の開発品と呼ばれるものに力を入れています。やはり本だけでは収支があわないので、雑誌の付録としてトートバッグなどが箱に入っているものが、書籍流通用のISBNコードをつけるようになったりしている。その種のものは本屋さん以外でも売れますし、先日、海外で卸されて売っているのを見かけました。

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