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若手の活躍光った2022ジャパンパラ水泳競技大会、花の都を見据えて競争激化

パラサポWEB

その窪田は、日本記録を保持する2位の荻原虎太郎とともに100m背泳ぎで大会新記録を樹立。1分07秒57の好タイムで、昨年の1分09秒台から記録を大幅に短縮させた。

「最後、タッチが合わなかった。1分06~05秒台を狙っていた」と話す窪田は、少し納得のいかないといった表情でこう明かす。

「6月の大会で荻原がバタフライのキックでバックを泳いでいた。そのときは普通に泳いでいたが、それも(泳法上)いいんだと知って、今回、僕も真似をしました」

もともと前半に強い窪田だが、1回のキックやひとかきで進む距離も長くなったことで後半の粘り強さも磨かれつつある。

100m自由形で優勝した荻原も「彼にあまり、負けたことがなかったから、(100m背泳ぎで2位になり)すごく悔しい。次こそ勝ちたい。今後、大きな大会の100m背泳ぎで彼と表彰台に上がれたら嬉しい」と言い、国内で切磋琢磨できるライバルの躍進を歓迎した。

東京大会はバタフライなどで出場した荻原。今は練習で泳いでみて速かったという背泳ぎに注力

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ふたりのハイレベルな対決は、日本代表の上垣匠監督も「国内のライバル争いが激化した。見ごたえがあった」と話すほどで、今大会のレースの中で会場が最も沸いたと言っていい。

上垣監督によれば、水面でのバサロキックは、潜水しなければ泳法違反にならないという。今後、国内でも同様の泳ぎでタイムを縮める選手が現れるかもしれない。

大会を盛り上げたヒロインたち

アジア新記録を打ち立てた16歳の福田

女子も新たなライバル対決が話題を集めた。福田果音と宇津木美都。高校生と大学生による100m平泳ぎ(SB8)の対決は、昨年頭角を現した16歳の福田が勝利した。福田は、予選で1分25秒68のアジア新記録を樹立。

200m個人メドレー(SM9)でも2分51秒50で優勝するなど好調だ。

好調の要因は「キックの強化に取り組めたこと」。また、プール以外でもフィジカルトレーニングに取り組み、体幹や下半身の筋力を強化してきた。

ポジティブさと強い気持ちが持ち味で、ほとんどの選手がパリに向けての明言を避ける中、「世界選手権1位の選手の泳ぎを研究したい。パリの舞台でメダルを獲ることが目標」ときっぱり。パラ水泳の新たなヒロインとして注目を集めている。

一方の宇津木は、下半身だけでなく、全身をくまなく使えるよう、平泳ぎの泳法改善に取り組んでいるという。このまま第一人者の座を福田に譲るつもりはない。

表彰で笑顔を見せる宇津木(左)と福田(右)

3年ぶりに有観客で行われたジャパンパラ。前途のライバル対決のほかにも、リオ2016パラリンピック50m自由形(S9)銅メダルの山田拓朗が、大学生の岡島貫太とのデッドヒートを制するなどの見どころは多かったが、今大会は4つの日本記録を打ち立てた高校1年生、木下あいら(S14など)抜きには語れない。だが、国際クラス分けは未受検。10月に初めての世界大会を経験する予定となっている。「マルチに活躍できる。大切に育てていけばメダルの可能性もある選手」と日本知的障害者水泳連盟の谷口裕美子コーチも目を細めて語る存在だ。

新鋭の木下は、自由形や個人メドレーを得意とする

11月には「日本パラ水泳選手権大会」(長野アクアウィング)、来年3月には「2023パラ春季水泳記録会」(富士水泳場)が開催予定。目の離せない大会が続きそうだ。

「そろそろ世代交代。でも50m自由形は意地でも勝ちたい」と山田(中央)。2位の岡島(左)、3位の川渕大耀(かわぶち・たいよう)も成長著しい

text by Asuka Senaga
photo by X-1

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