このたび、京都文化博物館にて、幕末の英雄たちがよみがえる「新選組展2022―史料から辿る足跡」が2022年10月1日(土)より11月27日(日)まで開催されます。
新選組は、文久3年(1863年)2月4日に江戸で結成された浪士組を母体とする政治集団で、 会津藩に所属して京都市中の治安維持を担う一方、局長・近藤勇は有力な活動家として尊王攘夷の実現を目指し奔走しました。
近藤勇をはじめ、土方歳三、沖田総司など、新選組の英雄たちは、小説、ドラマ、映画やアニメなどでも有名ですが、その実態はどうだったのでしょう?
本展では、近年までの調査で明らかになった新選組の新知見を積極的に生かし、史実としての新選組に迫ります。
新選組袖章 文久3年(1863年) 霊山歴史館蔵 <通期展示>
また、本展にて「刀 銘 和泉守兼定」(土方歳三佩用/土方歳三資料館蔵)が出品されることを記念して、PCブラウザ&スマホアプリゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』とのコラボレーション企画が実施されています。
刀 銘 和泉守兼定 土方歳三佩用 慶応3年(1867年)2月 土方歳三資料館蔵 <展示期間:10月1日〜11月23日>
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是非、この機会に「新選組展2022―史料から辿る足跡」にお運びください。
それでは、シネフィルでも展覧会構成に従ってご案内させていただきます。
プロローグ 尊王攘夷の幕末
18世紀後半のロシアの南下以降、日本の社会では対外危機と海防を主張する攘夷思想が勃興する。嘉永6年(1853年)のペリー来航により、攘夷は全社会的な課題となった。
幕府は、熱烈に攘夷を主張する孝明天皇の意向を押し切り、開国を強行した。開国は経済的な混乱をもたらし、幕府は国政担当者としての正当性を急速に失っていく。
孝明天皇御尊影 江戸時代(19世紀) 泉涌寺蔵 <通期展示>
第1章 京都守護職と多摩の草莽(そうもう)
天保5年(1834年)、多摩郡上石原村の宮川家の三男として勝五郎が生まれる。当時の多摩地域の農村は、治安の悪化によって自衛する必要に迫られ剣術が隆盛していた。勝五郎は天然理心流に入門して頭角をあらわし、天然理心流3代目近藤周助の養子になり、土方歳三らとともに切磋琢磨する日々を送る。
近藤勇写真 19世紀 土方歳三資料館蔵 <展示期間:10月1日〜10月14日>