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日本の高齢者、「健康なのに病院に通い過ぎ」? 国際比較で見えてくる“高齢者の健康と医療”のリアル

オトナンサー


10月1日は「国際高齢者デー」

【比べてみた】医療サービスを“月1回以上”利用する高齢者、各国で比較すると…日本の高齢者の“リアル”が浮き彫りに!

 10月1日は、社会への高齢者の貢献に対する認識の拡大、高齢者の権利の確認、高齢者差別の撤廃などを目的に、1991年に制定された「国際高齢者デー」です。私たちは高齢社会について考えるとき、つい日本の状況だけを素材にして議論しがちですが、世界と比較をすることは思考を深めるのに有意義で、さまざまな問題が見えてきます。

 ちなみに、内閣府は1980年から5年に一度、「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を実施しています。2020年に発表された調査から、高齢者の健康と医療に関する日本の状況について概観してみたいと思います。(調査対象は60歳以上で、老人介護施設などへの入所者は除かれています)


高齢者の健康状況に関する各国の比較

「病気ではない健康な高齢者」が多い各国

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 まず、健康状況については表のようになっています。

「健康である」「あまり健康とはいえないが、病気ではない」を合わせると、日本は男性が91.2%、女性が92.2%となっています。アメリカ、ドイツ、スウェーデンもあまり差がなく、各国とも高齢の人たちの約9割が、病気ではない健康な状態であることが分かります。

 なお、80歳以上に限って見てみても同様に、日本は88.4%、その他3つの国でも85%超と高い数値になっており、少なくとも調査対象になった国では、身体的健康という意味では高いレベルにあるといえるでしょう。

日本の高齢者は「病院に行く回数」が多い?

 一方、医療サービスの利用状況についてはかなりの差があります。ざっくりといえば、月に1回以上、病院や診療所に行く人の割合は、日本が6割、アメリカは2割、ドイツが3割、スウェーデンは1割ということになります。

 その分、他の国よりも日本の高齢者が健康だというなら分かりますが、健康状態は各国でそう変わりません。ということは、高齢者の健康と、医療サービスはそんなに関係がないのではないかと思えてきます。病院の数や行く回数を減らしたら健康が損なわれるかというと、他の国を見ればそうとはいえません。

 このことは、北海道夕張市の事例が分かりやすいです。財政破綻した夕張市では、ベッド数が171床あった市立病院が19床の市立診療所に縮小され、医療サービスが“崩壊”とも言えそうな事態になりましたが、がん、心臓病、肺炎で亡くなる人が減り、1人当たりの年間医療費も80万円から70万円へと減ったといいます。

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