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自分の子ではない赤ちゃんと「2日間」過ごした男の感情の変化

幻冬舎ゴールドライフオンライン

家に帰ると玄関先に赤ちゃんが! 独身男の不思議な体験を描く、笑えて心温まるヒューマンドラマ。※本記事は、香輪直氏の小説『君と抱く/夢想ペン作家日和』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

赤ちゃんと過ごす二日目

華ちゃんと過ごす二日目の朝を迎えた。今朝は華ちゃんの大泣きで目を覚ました。慌てて飛び起きて華ちゃんを抱くとオムツがパンパンでもれていてパジャマもびしゃびしゃに濡れていた。着替えを用意してオムツを替え、服を着替えさせてからミルクを作って飲ませた。

すると華ちゃんは今日もニコニコで俺の布団の上でまた自分の足をオモチャに一人遊びをはじめてくれた。

その間に俺は洗濯機を回した。さっき着替えを用意したときに華ちゃんの着替えがあと二セットしかないことに気づいたからだ。洗濯して干さないと夜には着替えがなくてやばいことになるところだった。おれは朝食のパンを食わえながら二人分の服を洗濯機に入れ、洗い終えたものをベランダに干した。

今日はずっと天気は良いらしいとテレビの天気予報で言っていた。今までの人生の中で洗濯物を干すときに天気が良くて、こんなにうれしいと思ったことはない。

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華ちゃんのお世話をしていると、一事が万事何でもないことが平穏に順調に済むのがとても幸せに感じられた。何の支障もなくお世話ができて、華ちゃんが笑っていてくれる幸せ。華ちゃんが笑ってさえいてくれたら全てオールOKなんだ。

華ちゃんのことで感じられるこの気持ちって母性なのかな⁉ おれは男だから父性ってものか? 自分の子供でもないのにばかみたいだけど……華ちゃんと過ごすこの静かな時間に、おれはたった二日目で幸せを感じるようになっていた。

洗濯物を干し終えた頃、急に華ちゃんが泣いた。ベランダから見える位置に寝かしていたのに、いつの間にか寝返りをうち腹ばいになり、華ちゃんの足が気づかないうちに床に着き、体が少しずつ前に進み三十センチ以上前にあったはずのタンスに激突したのだ。

「華ちゃん気づけ。意識して足をつけばもうハイハイができて楽しみが増えるぞ」

そう励ましながら華ちゃんを抱いてやった。華ちゃんがハイハイできるようになるのにはまだもう少し先だろうと思えた。

今日は華ちゃんとスーパーへ買い物に行く。おやじさんの用意してくれたベビーカーで買い物に行くことに決めていた。おれの食糧が底をついてきていたし、華ちゃんにも麦茶以外の飲み物をあげたかったからだ。

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