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人口では広島市に次ぐ第二の都市だが…「本当に何もない」福山市の話

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、イジリタツヒコ氏の小説『わしらの街にカープを連れてこい』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

プロローグ 

二〇一三年一二月X日深夜、幸太は寝苦しさと誰かの笑い声で目が覚めた。

「あちぃー」 

電気こたつの布団をまくり上げてスイッチを切った。膝から下がほてっている。

「お父ちゃんまだ起きとるん? テレビ切って早う寝っ」 

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隣の寝室から襖越しに香織の声がした。風呂から上がってこたつに入り、テレビを観ながらうたた寝をしていた。

「ああ」 

幸太は短く答え、テレビのリモコンを手にして切ろうとしたが、思い直してボリュームを下げた。テレビにはふたりの男性が映っていて、ひとりは著名な歌手のSだった。若い頃はグループを組み、ヴァイオリンを奏でて人気があったらしく、歌声もきれいな高音で幸太も何枚かCDを持っている。

「では次のお手紙を紹介します」 

どうやら番組のパーソナリティといった雰囲気で、隣のディレクターらしき人物とテーブルに着いている。

ふと気がついた。画面の右上に『福山放送局』と表示されていて、幸太は思わず「地元じゃないか」と呟いた。Sはファックスで送られてきたらしい紙を手にしている。

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