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「それって嫌み?」妹が思わず目で訴えかけた…姉の衝撃な一言

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、今中浩恵氏の小説『渦の外』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

「最近のお姉ちゃんを見てると、もう人生諦めたんかなって思うわ。何もしなくても時間は経ってくれるけど、そんなん虚しいないん」

この春、妹は公立大学の経営学部に合格し、日々粛々と勉学に励んでいる。

私はといえば母親に面と向かって反旗を翻しもできず、言われるがままにパーティの接待役を務めている。携帯を持っていないので夜遊び仲間から連絡が来るはずもなく、今さら夜の町に出ていく気にもなれない。CDやDVDで、長過ぎる時間を何とか埋める毎日だ。

「別にぃ。諦めたわけでも、捨てたわけでもないけど。これというて何もすることがないだけ」

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ふぅん。私を見る妹の目が、蔑んでいるような憐れんでいるような、そんな気がして苛立ちが湧き上がる。

「映美は毎日が楽しそうやね。一生懸命に頑張ったあとには、ええことがいっぱい待ってるんや」

それって嫌み? 妹の目が聞いてくる。

「ほんま、これで一発逆転やよな。私は大学にいとも簡単に落ちて完璧なプータローやけど、あんたは我が家の期待の星やもんね」

「誰も期待なんかしてへんて。もししてるんやったら、裏方で役に立つってくらいやわ」

それでも、役に立つ頭脳と目標を持って日々を過ごしている映美が羨ましくもある。私はこの家での自分の存在が、どんどん小さくなっていくような気がする。さすがの親も、もう大学へ行けとは言わなくなった。無理だと察したのだろう。その判断は間違っていない。

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