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掻けば掻くほどかゆいのはなぜ?「かゆみ」が起こる仕組みや対処法【医師が解説】

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巣鴨千石皮ふ科院長・小西真絢医師が、「かゆみ」が生じるメカニズムや、掻けば掻くほどかゆみが悪化する理由、かゆくなったときの適切な対処法を解説します。

「かゆくても掻いてはけない」のはなぜ?

虫に刺されたり、かぶれたり、乾燥したりしたとき、肌が無性にかゆくなることがありますよね。掻くとかゆみがおさまって気持ち良いと感じることがありますが、一方で「掻いてはいけない」ともよく聞きます。

実際は、掻くことはかゆみを止めるものではなく、皮膚を傷つける行為です。また、逆に「搔けば搔くほどかゆくなる」という悪循環を招いてしまいます。それでは、かゆみが生じたときはどうすれば良いのでしょうか?

今回は、「かゆみ」が生じるメカニズムや、掻けば掻くほどかゆみが悪化する理由、かゆくなったときの適切な対処法などをご説明します。

そもそも「かゆみ」が起こるメカニズムとは

肌の「かゆみ」が生じる仕組みは詳しくは明らかになっていません。ひとつに、なんらかの刺激を受けたことで、肥満細胞からヒスタミンを始めとする「かゆみ物質」が放出されることが言われています。

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ヒスタミン等は、痛みや「かゆみ」を知覚する知覚神経を通して、脳に刺激として伝わります。皮膚の「かゆみ」は、これらの神経伝達物質の作用で脳が「かゆい」と認識することによって生じるとされています。

「かゆみ」を引き起こす原因は、外的要因と内的要因があります。

外的要因の主なものには、「乾燥や紫外線、寒暖差などによる肌へのダメージ」「皮膚のうるおいが減少してバリア機能が低下」「汗の中に含まれる成分が刺激物質になる」「花粉や金属、植物や食品・薬品などのアレルゲンが肌にくっつく」「摩擦、こすれ、衣類の締め付け」があります。

内的要因には「睡眠不足やストレス・過労による免疫力の低下」「食事のバランスが崩れており肌の栄養状態が悪化」「加齢による皮脂不足」「ホルモンバランスの影響で肌のコンディションが変化」「運動不足や喫煙で血流が悪化」「内臓疾患(血液疾患・自己免疫疾患・肝臓病や腎臓病など)」などがあります。

掻けば掻くほどかゆくなるのはなぜ?

皮膚を掻くと、その刺激がヒスタミン等の「かゆみ物質」の放出を誘発します。それらが神経の末端にまで伝わると、今度は「神経ペプチド」という神経伝達物質が放出されます。この神経ペプチドは肥満細胞を刺激するもので、「かゆみ物質」をさらに分泌するという悪循環を起こします。

また、掻くと皮膚はうるおいと皮脂を失って乾燥し、炎症を起こしたりしてバリア機能が低下していきます。外の刺激に対して無防備になってしまい、どんどんかゆくなっていくのです。

「掻くと気持ちがいい」のはなぜ?

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巣鴨千石皮ふ科院長・小西真絢医師が、「かゆみ」が生じるメカニズムや、掻けば掻くほどかゆみが悪化する理由、かゆくなったときの適切な対処法を解説します。

「かゆくても掻いてはけない」のはなぜ?

虫に刺されたり、かぶれたり、乾燥したりしたとき、肌が無性にかゆくなることがありますよね。掻くとかゆみがおさまって気持ち良いと感じることがありますが、一方で「掻いてはいけない」ともよく聞きます。

実際は、掻くことはかゆみを止めるものではなく、皮膚を傷つける行為です。また、逆に「搔けば搔くほどかゆくなる」という悪循環を招いてしまいます。それでは、かゆみが生じたときはどうすれば良いのでしょうか?

今回は、「かゆみ」が生じるメカニズムや、掻けば掻くほどかゆみが悪化する理由、かゆくなったときの適切な対処法などをご説明します。

そもそも「かゆみ」が起こるメカニズムとは

肌の「かゆみ」が生じる仕組みは詳しくは明らかになっていません。ひとつに、なんらかの刺激を受けたことで、肥満細胞からヒスタミンを始めとする「かゆみ物質」が放出されることが言われています。

ヒスタミン等は、痛みや「かゆみ」を知覚する知覚神経を通して、脳に刺激として伝わります。皮膚の「かゆみ」は、これらの神経伝達物質の作用で脳が「かゆい」と認識することによって生じるとされています。

「かゆみ」を引き起こす原因は、外的要因と内的要因があります。

外的要因の主なものには、「乾燥や紫外線、寒暖差などによる肌へのダメージ」「皮膚のうるおいが減少してバリア機能が低下」「汗の中に含まれる成分が刺激物質になる」「花粉や金属、植物や食品・薬品などのアレルゲンが肌にくっつく」「摩擦、こすれ、衣類の締め付け」があります。

内的要因には「睡眠不足やストレス・過労による免疫力の低下」「食事のバランスが崩れており肌の栄養状態が悪化」「加齢による皮脂不足」「ホルモンバランスの影響で肌のコンディションが変化」「運動不足や喫煙で血流が悪化」「内臓疾患(血液疾患・自己免疫疾患・肝臓病や腎臓病など)」などがあります。

掻けば掻くほどかゆくなるのはなぜ?

皮膚を掻くと、その刺激がヒスタミン等の「かゆみ物質」の放出を誘発します。それらが神経の末端にまで伝わると、今度は「神経ペプチド」という神経伝達物質が放出されます。この神経ペプチドは肥満細胞を刺激するもので、「かゆみ物質」をさらに分泌するという悪循環を起こします。

また、掻くと皮膚はうるおいと皮脂を失って乾燥し、炎症を起こしたりしてバリア機能が低下していきます。外の刺激に対して無防備になってしまい、どんどんかゆくなっていくのです。

「掻くと気持ちがいい」のはなぜ?

近年の生理学研究で、かゆいと感じたときに皮膚を掻くと、脳内で「報酬系」と呼ばれる部位(線条体、島皮質、運動関連領野など)が活発化することが明らかになりました。報酬系は「欲求が満たされるときに快感を引き起こす」ことに影響する部位で、皮膚を掻けば掻くほど達成感を得られて気持ち良くなり、その行動を持続するように脳が命令を発するメカニズムになっています。

報酬系の活動をコントロールできるようになれば、「かゆみ」を感じたときに掻きむしって皮膚を傷つける悪循環から脱することができるのではと考えられています。「かゆみ」が引き起こすさまざまな問題に対し、脳科学的なアプローチも重要になってくるのではないでしょうか。

かゆいときどうすればいい?「我慢する」以外の対処法

肌がかゆくなったときは、「かゆみ」をなるべく早くストップさせること、「かゆみ」が再発しないように予防策を打つことの2方向から対処することが大切です。症状の具合や程度に応じて、市販薬などを使うか、皮膚科を受診するかを選択するといいでしょう。

まず「かゆみ」を早くストップさせる応急手当としては、肌を冷却することが有効です。保冷剤をくるんだタオルや氷嚢で、こすることなくかゆい場所をそっと押さえるようにしましょう。痒い部位を冷却した後、血流が戻ってきて返って痒みが増してしまう場合もあります。その場合、部分的に温めることが効果的なこともあります。

また、皮膚の「かゆみ」が慢性的に持続する場合や、我慢できないほど「かゆみ」が強い場合は、薬剤を使っての治療が有効なことがあります。アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)、じんましん、乾癬(かんせん)、手湿疹などの疾患が考えられる際は、すみやかに皮膚科で診察を受けていただくことをおすすめします。

虫刺されやかぶれ、手荒れなどが起こす一時的な「かゆみ」は市販薬でも対処できる場合があります。ステロイド・非ステロイドの外用薬、抗ヒスタミン剤の外用薬などは、免疫系の反応を抑えることで「かゆみ」や痛みの鎮静に作用します。軟膏やクリーム、ジェルなどがあるので、お好みの使い心地のタイプを選ぶといいでしょう。

また、「かゆみ」の予防対策も日常的に行っておくことをおすすめします。次のようなものです。

●肌が乾燥しないように保湿剤を使う

●紫外線を防ぐために日焼け止めや日傘を活用する

●顔や体はよく泡立てたソープでやさしく洗う。

●お風呂やシャワーの温度は上げすぎず湯船に浸かっている時間を短くする

●栄養や睡眠、運動など生活習慣を整える

●肌に触れる衣類や寝具は皮膚への刺激が少ないものを選ぶ

●生理用品はこまめに取り替える

●汗をかいたらこまめに拭き取り、洗い流す

※ベビーパウダーは汗の出口をふさぐ可能性があるので、使用を避けてください。

まとめ

皮膚がかゆいとき、掻けば掻くほど「かゆみ」が悪化してしまいます。掻くと一時的に気持ち良くなるのは、脳が「もっと掻くように」と命令をしているからです。皮膚のバリア機能を低下させないために、普段から肌のコンディションを良好に保つ工夫をしたり、かゆくなったときは冷却したりして、掻かない対処法を実践してみましょう。

アトピー性皮膚炎や全身疾患などの原因で慢性的な「かゆみ」が生じていると考えられている場合は、市販薬などで対応するのではなく、皮膚科の医師に相談してくださいね。

小西 真絢

巣鴨千石皮ふ科 院長

日本皮膚科学会認定専門医

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