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「おとうとがほしい。」心疾患の4歳児が、そう強く願ったワケ

幻冬舎ゴールドライフオンライン

生まれた時から心疾患なら、味方にしちゃえばいいの。生後すぐに心臓に疾患があることが分かり、臓器もひとつたりないことが分かった。だからこそ出逢えた幸せが、たくさんあるのだーー。ハンデとともに歩む人生は、鮮やかに彩られている。湧いてくるのは夢と希望。痛快にいまを生きる、20代女子の自叙伝。※本記事は、近藤姫花氏の書籍『キミがいるから私は HEART HANDI LIVE』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

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1章 生まれてきたのは、心疾患の赤ちゃん

保育園、最後の1年が始まった。1年たったクラスでの生活も慣れて、とっても仲良しな友達もできた。

「ゆいか! あっちにわるものがいるかもしれない!」

「へんしんしよう!」

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同じアニメが好きな、私とゆいか。いつも一緒にいると、2人だけの秘密がたくさんできる。保育園に隠れているかもしれない敵の居場所、戦うための魔法、2人にしか見えないキラキラなドレス。手を繋いで、もう片方の手を前に開いて、2人で同じ決め台詞を叫ぶ。ゆいかと私の間には、2人にしか遊ぶことのできない魔法の世界がある。

年長クラスで最も大きな行事は合宿。家族のいない夜は入院で何度も経験したけれど、友達とするお泊まりは初めてだ。夕食に、お風呂に、いつも家でやっている当たり前のことが、みんなと過ごすというだけで特別なものになる。そして、いつも夜に飲んでいる薬を外で飲むのも、初めてだった。

「ごめん、ひめか」

担任の先生が困った顔をして持っているのは、水に溶かれた私の薬。けれどいつもの2倍以上の水で溶かれたそれは、スポイトではなくコップに入っている。

「のめない」

夕食を食べ終わった今の時間、みんなはもう1人の先生とお風呂に入っている。薬がいつものスポイトに入っていれば、苦いのを我慢してすぐに飲んで、みんなのところに向かうのに。

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