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「再びどっぷりと“ダウントン・アビー沼”にハマれた!」豊田エリー、中瀬ゆかり、ハリー杉山…ファンが愛に満ちた劇場最新作を語り尽くす

MOVIE WALKER PRESS

2010~15年にかけて6シーズン全52エピソードが放送された英国発の人気テレビドラマシリーズ「ダウントン・アビー」。20世紀初頭のイギリスを舞台に、ヨークシャーにある架空の邸宅“ダウントン・アビー”で暮らす貴族や使用人たちのドラマが描かれてきた。“ダウントニアン”と呼ばれる熱狂的なファンも生みだした本作は放送終了後も根強い支持を集めており、2019年には初の劇場版『ダウントン・アビー』を製作。さらに、劇場版第2弾となる『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』がいよいよ9月30日(金)より公開される。公開に先がけ、シリーズの大ファンを公言する各界の著名人が本編を鑑賞。MOVIE WALKER PRESSへ寄せられたコメントを紹介しながら、ファン必見のポイントやシリーズ未見でも楽しめる魅力を紐解きたい。

前作でジョージ5世とメアリー王妃ら王室の面々をダウントン・アビーでお迎えするという一大イベントを成功させたクローリー家とその使用人たち。それから1年後の1928年、華やかな日々とは裏腹に屋敷には痛みが目立ちはじめており、実質的な当主となった長女メアリー(ミシェル・ドッカリー)は、修理費の工面に頭を悩ませていた。そんな時、ハリウッドの映画会社から屋敷で映画の撮影をさせてほしいとのオファーが入る。しかも高額の謝礼が入ると聞いて、メアリーは父ロバート(ヒュー・ボネヴィル)の反対を押し切って、撮影を許可することに。憧れの映画スターに会えると聞いて使用人たちが胸をときめかせる。その一方で、ダウントン・アビーではもう一つの事件が。ロバートの母バイオレット(マギー・スミス)に、亡くなったフランスのモンミライユ侯爵から南仏にある別荘を贈られたというのだ。あまりに寛大な申し出に疑問を持ったロバートは、妻コーラ(エリザベス・マクガヴァン)、次女イーディス(ローラ・カーマイケル)夫妻、トム(アレン・リーチ)夫妻、引退したはずの老執事カーソン(ジム・カーター)と共にリヴィエラへと向かうのだった。

■「ファンにとって、ご褒美のような一作」(豊田エリー)

俳優として映画やドラマ、舞台で活躍する豊田エリーはシリーズの大ファンで、本作についても「ファンにとって、ご褒美のような一作です!」と感激しきり。「ファンの方はもう存分に楽しんでください!これまでずっと観てきてよかったと、きっと思える作品です。大好きなキャラクターたちの“その後”を知ることができ、幸せを噛み締めながら観ました」と続け、特に印象に残ったのが名優マギー・スミス演じるバイオレットだと明かした。

「“ダウントン・アビー”という屋敷とそこで紡がれる物語にとっての支柱のような、欠かすことのできない存在だと思います。本作でもそのチャーミングさと核心をつく言葉はもちろん健在ですが、なによりいくつになっても1人の女性として、胸に秘めた想いや記憶がとても大切に描かれているところに、製作陣からバイオレットへの深い愛とリスペクトを感じられたのがファンとしてもうれしかったです。バイオレットが語ると、若き日の麗しい姿やこれまでの歳月が重なっているように見え、マギー・スミスのすばらしさを改めて感じました。サブタイトルである『新たな時代へ』を象徴するシーンも感動です」。

物語の舞台である1920年代後半は、サイレント映画からトーキー(映像と音声が同期した映画のこと)に移り変わろうとする時代。「映画界がサイレントからトーキーへの転換期を迎えているなかでの撮影シーンもグッときました」とも振り返る。

「今作ではダウントン・アビーが映画撮影のロケ地として使われることになり、クローリー家と使用人たちが戸惑ったり浮き足立ったりする姿がとてもおもしろいです」とお気に入りのシーンを挙げた。なかでも、特に使用人たちが映画撮影に関わる重要なシーンに涙があふれたという。「“映画”というものは束の間の夢を見るような、非日常へと飛び込む体験だということが表れた、楽しいけれどせつなくもある大好きな場面です」。

豊田が「ダウントン・アビー」に惹かれる理由はなんなのだろうか?「つい最近ドラマシリーズの2周目を観終えたところだったのですが、なぜこんなに夢中になれるのだろうと思うと、やはりキャラクターたちの魅力ですね。それぞれの実在感が凄いので、彼らがどうなっていくのか見逃さずにはいられなくなるのです。もちろん、それを支える衣装、美術もステキですし、身分の差から生まれる物語や実際の歴史との重なりなど魅力はたくさんあります。あとテーマ曲!最高です」。

まだ作品を観たことのない人にはこんなアドバイスが。「私はシリーズものの最新作をいきなり観て、それから1に戻って追いつくということを何度もしていますが、それもなかなかいい味わいがありますよ、と伝えたいです。1920年代の美しいファッション、南仏の景色、ウィットに富んだ言葉の掛け合い、映画愛を感じる演出など魅力満載ですし、大画面で観るのにぴったりの作品だと思います。そして彼らのこれまでの出来事に興味が出たら、ぜひドラマシリーズにも手を伸ばしてみてください」。

■「傑作です。人間味あふれる彼らのストーリーに是非唖然としてほしい」(ハリー杉山)

タレントとして幅広く活動し、イギリスの全寮制のパブリック・スクール、ウィンチェスター・カレッジの生徒でもあったハリー杉山ももちろん、生粋のダウントニアンだ。

最新作を観た感想からも、「傑作です。衝撃です。全員主役に見えてくるほど1人1人のストーリー、秘密、恋、キャリアが新たな展開を迎えます。ニヤニヤするウィット、様々な涙、もう最高!ウィンチェスターの先輩、ヒュー・ダンシーも新たに参戦していれば、イギリスの文化の真骨頂をユーモアと共に伝える2時間5分でした」と興奮している様子が伝わってくる。

お気に入りキャラクターを聞くと、「バイオレット。ひと言ひと言のウィットに惚れぼれ」と即答。お気に入りシーンは、「ネタバレになるので何も言いませんが、恋が実る、階級制度と上と下の世界を越えるLOVEが…。いや、黙ります(笑)」と具体的なシーンは挙げてもらえなかったものの、とにかく夢中になって物語や映像、音楽にのめり込んでいたことはわかってもらえるはず。

ハリーにとって「ダウントン・アビー」はどのような存在なのだろうか?「いま、エリザベス女王陛下の崩御と共に再注目される英文化、そして古くから英文化を象徴するノビリティ、貴族の日常を楽しく学べる、知ることができる唯一無二のシリーズだと思います」。

ファンに向けて、「観ないと一生後悔します。原題にある”A New Era”とは新たな時代。皆さんが愛するキャラクター全員が新たな人生の扉を開けます。これを見逃してはダウントニアンと言えません!」と熱い言葉を送ると共に、シリーズ未見の人にも本作を楽しんでほしいと熱烈にプッシュ!

「皆さんは英国貴族にはどんなイメージを持ちますか?ノビリティ、品格、社会の頂点、煌びやかなインテリアでアフタヌーンティーを楽しみ、外の空気を吸う時には馬に乗るのが日常?もちろんそうです。ただ彼らは我々と同じ人間。我々と同じように人生の葛藤や裏切りや社会の壁にも立ち向かったり、流されたり。最高なインテリアとファッションに包まれながら、人間味あふれる彼らのストーリーに是非唖然としてほしいです!」。

■「英国貴族の華麗なる世界の、悲喜こもごもな人間ドラマ」(石川三千花)

映画、ファッションについてのイラストやエッセイを発表しているイラストレーター、石川三千花も「ダウントン・アビー」を愛してきたファンの1人。「ダウントン・アビー」をひと言で説明するなら?、そんな問いに対して、「英国貴族の華麗なる世界の、悲喜こもごもな人間ドラマ」と完結に答えてくれた。

最新作の感想を聞くと、「これだけ多くの登場人物がいながら、それぞれに個性を持たせて、その人間模様は英国貴族といえども実に人間くさい。アンサンブル演技の見事さに加えて、背景となる屋敷や庭園、調度品などの歴史ある佇まい、美しい衣装など視覚的に楽しめる要素が多い」と評している。

特に印象に残った登場人物には、ほかの人たちも挙げているバイオレット。「先代伯爵夫人バイオレット。演じるマギー・スミスの、いかにも英国貴族然とした威厳とユーモア、格の違いを醸し出す存在感。まるでクローリー一族におけるエリザベス女王のよう」。

ほかにも、長女メアリーの毅然とした立ち居振る舞いもピックアップしている。「ハリウッドのスターがクローリー家の使用人に言いたい放題の横柄な態度を取った時に、メアリーが『当家の召使いは、不躾なもの言いに慣れておりませんので』と非を認めているようで、やんわりと相手をとがめる独特な言い回しが、いかにも上流階級的で感心した」。

人々が「ダウントン・アビー」に惹かれる理由については、「格式ばった20世紀初頭の英国貴族が、視覚的には現実ばなれした華麗さを見せるが、その内情や人々の感情はいま現在の人々に通じるものがある。制約のある貴族社会での人間ドラマがおもしろい」と分析。この記事内でも度々言及されているが、当時の社会背景を取り入れつつも、登場人物たちが織りなす普遍的なドラマが観る者を虜にする大きな要因になっているようだ。

■「見終えたあとは再びどっぷりと“ダウントン・アビー沼”にハマれた」(中瀬ゆかり)

コメンテーターとしてテレビ出演もしている編集者の中瀬ゆかりからも、本作を支持する声が届いている。

まず、本編を鑑賞した率直な気持ちについて、「いったん終わったドラマシリーズの続き、しかも映画としての2作目、という意味でどんどんハードルが高くなっているのに、やすやすと超えてくるのは『さすが』としか言いようがありません。すばらしい登場人物たちの顔ぶれと、練り上げられた脚本によって、観終えたあとは再びどっぷりと“ダウントン・アビー沼”にハマれた深い満足と、心の深いところに響いた感動でしばらく言葉が出なかったです。ラストは絶対に涙しますのでファンならば見逃し禁止です」と大絶賛。

さらに、「大好きなバイオレットおばあさまの過去にかかわる内容で、おばあさまが突然相続することになった南フランスの別荘を訪れる伯爵夫妻一行の思いがけない騒動と、館を舞台に撮ることになった映画撮影隊とのやり取りが2本軸になっていて、南フランスのすばらしい景色やフランス貴族との邂逅、そしてトーキーに移行していく時代の映画の端境期、という、まさに『新たなる時代へ』の過程を見られて、映画好きとしてはそちらの興味も手伝って大満足でした」とも。本作で描かれる、ダウントン・アビーでの映画撮影パート、南仏への旅パートの両方が胸に刺さる展開の連続だったと説明する。

バイオレット以外で印象的だったキャラクターには、撮影のためにダウントン・アビーに滞在することになった映画スターのマーナ・ダルグリーシュ(ローラ・ハドック)とガイ・デクスター(ドミニク・ウェスト)を推している。

「ハリウッドスター役の2人がいかにも“スター!”という感じで存在感を光らせていたのがよかったです。特にガイ・デクスターがちょいワルの野性味あふれるルックスに優しさがにじみ出ていて、個人的に超好みのタイプでした」。

本作の見どころを尋ねると、本作での新たな“出会い”と発見に興奮したようだ。「メアリー様が映画撮影のあることで思わぬ才能を見せるところです。わくわくしました。あとは、今回もいくつか繰り広げられる恋愛模様のあれこれ、特に“新しい恋の予感”がするある登場人物の2人きりのシーンと台詞には胸がキュンキュンしました」。

そもそも、中瀬が「ダウントン・アビー」のファンになった理由はなんだったのだろうか?「もともと群像劇や人間の深掘りドラマが好きなんですが、シーズン1がタイタニック号沈没事故を報道するところから始まり、その後もいきなり登場人物が亡くなったりと、スリリングな展開をみせるこのドラマにくぎ付けになりました。伯爵家側も使用人側も、出てくるキャラクターたちがとても魅力的で、変わりゆく時代を背景にその1人1人の運命を彩るドラマの脚本がまたすばらしい。次がどうなるのかにまったく目が離せず、気がつけばどっぷりと“ダウントン・アビー沼”にハマっていました。おそらく生涯観たドラマでここまで物語の住人になりきって観たものはないかもしれません。あの哀愁と威厳溢れるテーマ音楽が流れるだけで心臓が高鳴ります」。

未見の人でも楽しめる作品だと以下のように語ってくれた。「本作で主要キャストが総出演しているので気になる登場人物には目を付けておいてほしいです。本作でちょい役に見えても、それはそれは長くて深い過去がある人物ばかりです。個人的には、イケメン執事のトーマス・バロー(ロブ・ジェームス=コリアー)のことを気にしておいてほしいと言っておきましょう。彼がここまで有能な執事になる道筋を知っている人には感慨深い場面があります。未見の方が、これをきっかけにドラマ版にハマることになるのなら、これから『ダウントン・アビー』を1から観られるなんてうらやましすぎます。この世界にハマらない人がいたら理由がわからないとまで断言しちゃいます(笑)。まずは、『ようこそ、“ダウントン・アビー沼”に!』と言いたいですね」。

■「ドラマの向こうにあるそんな移り変わる時代背景も魅力的」(山崎まどか)

最後に、コラムニストの山崎まどかからの言葉もお借りしたい。最新作を観た率直な感想を聞いてみると、「大恐慌前、第二次世界大戦前のちょうどいいところにクライマックスを持ってきたな、と思いました。登場人物の(ほぼ)全員が幸せな結末を迎えて、ファンのみんながホッと胸を撫で下ろすような。南仏が流行した時代で、テニスやチャールストンのような華やかな当時の風俗もある。かつ、トーキーの映画の話が実際の貴族の館で撮られていた『ダウントン・アビー』というドラマに対するメタというか、一種の楽屋落ちにもなっていて、サービス精神満点の完結編でした」との回答が。ファン感涙の大満足である作品と同時に、作品構造も実に巧みであることを指摘している。

そんな山崎がお気に入りのキャラクターに上げたのが、元下僕で現在は学校の校長で愛されキャラのモールズリー(ケヴィン・ドイル)。「もはやダウントンの使用人ではないのにしっかり出番があって、しかもおいしいところを持っていく。ドラマ本編の前半で消えてもおかしくなかったはずのキャラなのに…」。

実は大の映画ファンであることが明かされるモールズリーが、本作でも意外な活躍を見せることにも言及。「今回も謎の存在感を発揮して、場をさらっていきました。モールズリーさんが映画監督にある提案をして熱弁を振るうシーンです。試写会場でも爆笑が起こっていました」。

「ダウントン・アビー」が長きにわたって愛される理由については以下のように説明する。「貴族の館という限定された空間の物語にもかかわらず、20世紀の前半、どんな風に世の中が変わっていったかが垣間見えるところです。女性たちのファッションも移り変わり、コルセットをしなくなると、食事の席でも活発に議論に参加し、行動範囲も広くなり、少しずつ意識が変わって自由になる。ドラマの向こうにあるそんな背景も魅力的です」。

格式高い英国の貴族社会を背景に、現代を生きる私たちとも親和性の高い物語が展開されてきた「ダウントン・アビー」。華麗なファッションはもちろん、世界観にリアリティを与える建造物や宝飾品などの小道具、印象的な音楽もシリーズの魅力だ。作品を追い続けてきたダウントニアンはもちろん、入門編としてもオススメなので、シリーズ未見の人も『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』を劇場で堪能してほしい。

構成・文/サンクレイオ翼
 
   

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