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捕球後に倒れ込んだときボールを落とさないためには?/元西武・平野謙に聞く

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は外野守備編。回答者はゴールデン・グラブ賞に9度輝いた名手、元西武ほかの平野謙氏だ。

Q.巨人のウォーカー選手がライナーを捕ったと思ったら着地した際に落としてしまった場面がありました。防ぐにはどうしたら良かったのでしょうか。また、あれは一歩目が良ければ防げたのでしょうか。(東京都・匿名希望・31歳)



最後にボールがこばれなければ、超ファインプレーとなっていた[写真は巨人・ウォーカー]

A.動き出すまえに一拍置きましょう。想像することで動き出しが正確になります

 質問の場面は、東京ドームの9月8日の試合でDeNAの伊藤光が4回二死満塁から打った二塁打ですね。私もあとから見ましたが、結構、難しい打球でした。

 今回のケースもそうですが、倒れ込んだときにボールを落とす場面のほとんどは、伸ばしたグラブが地面についた瞬間です。そのときの反動でボールが飛び出してしまうパターンですね。捕った打球を落とさないようにするには、倒れる際にグラブごと胸に抱え込んでしまうのが最も良い方法です。もちろん倒れ込まないことがベストですが、やむを得ない場合に備え、この方法を練習しておくことも必要だと思います。

 一歩目については、相手打者は、下位打線の伊藤。満塁だったこともあり守備位置は前寄りでした。そこに想定外の強い打球が飛んできて、質問の方は一歩目が遅れたように見えたのだと思います。あれは一歩目というより、追い方にちょっと問題があったと思います。非常に直線的で、レフトの打球のクセを完璧につかみきれていなかったようにも思います。

 ボールの追い方については、必ず意識してほしいことが2つあります。一つ目は、絶対に打球の軌道の真下に入らないこと。真下に入るとボールを見ながら追うことが極端に難しくなり、捕球も大変です。必ず自分の体の左右どちらかにボールを置いて追いかけてください。片側に置いていた打球を状況に応じて逆側に置く。よくやる切り返しの練習はこのためにあります。今回のウォーカーも最後は打球の下に入ってしまい無理な体勢での捕球になってしまいましたからね。

 また、最初から手の届くギリギリで捕ることを想定して動いてしまうと、打球が変化した際に対応できません。まずは、打球が変化した結果を予想して、理想とされる顔の横あたりで捕球することを前提に動いてみましょう。その意識ができれば予想より打球が変化した場合でも反応できます。ただノックは素直な球が多いので、この練習は生きたボール、つまり打者が打ったものでなければあまり効果がありません。打撃練習の守備で率先してやっていきましょう。私は、あえて前寄りの位置に守ることで後ろの打球への反応を練習したりもしていました。

 2つ目は、早い一歩目とは真逆のように聞こえるかもしれませんが、動き出す前に必ずイメージを膨らませるため一拍置くことです。早くより正確な一歩目を心掛けたほうが結果的にはミスが少なくなります。打球がどう動き、落下地点はどこか、目を切らずに追いつけるか。予測することで、一歩目の動き出しが正確になります。

 いろいろ対策を言いましたが、今回のケースでは、そもそもあの打球に追いつくのは、ウォーカーの努力と身体能力があってこそで、むしろよくやったと言ってもいいかもしれないけどね(笑)。

●平野謙(ひらの・けん)
1955年6月20日生まれ。愛知県出身。犬山高から名商大を経て78年ドラフト外で中日入団。88年に西武、94年にロッテに移籍し、96年現役引退。現役生活19年の通算成績は1683試合出場、打率.273、53本塁打、479打点、230盗塁。

『週刊ベースボール』2022年10月3日号(9月21日発売)より

写真=BBM

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