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「待ち時間が短いクリニック」が使っている業務連絡の「神器」

幻冬舎ゴールドオンライン

「日本一忙しい小児科医」と言われる筆者が1日に診る患者数は平均200人。一般の医師にとっては1日100人でも驚異的な数字です。なぜ、これだけの患者を診ることができるのか? それはムダを最大限カットするために様々な工夫を行っているからです。本稿ではその工夫の一例として、紙カルテとシールを使った、アナログながら超効率的な伝達術を見ていきましょう。

電子カルテ、紙カルテの「併用」で業務を効率化

ここ数年で、カルテの電子化が進みました。厚生労働省の「電子カルテシステム等の普及状況の推移」によれば、2008年における一般診療所の電子カルテシステム導入率は14.7%だったのに対し、2017年には41.6%に上昇しています(図表1)。

[図表1]電子カルテシステム等の普及状況の推移 出典:厚生労働省「電子カルテシステム等の普及状況の推移」

しかし私は、今も紙のカルテを電子カルテと併用しています。そのほうが、スタッフとの伝達効率を高められるからです。

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例えば、ある患者にインフルエンザの疑いありと判断した場合、私はカルテに「インフルエンザ」というシールを貼ります。

すると私の後ろに位置している看護師は、シールを見た瞬間、すぐにインフルエンザの検査キットを準備します。そして私が患者にインフルエンザの検査をすると伝えるときには、すでに検査が始められる状態になっています。

ものづくりの現場では、ムダを省いて業務効率をさらに高めるために「カイゼン活動」を行います。その一環で、前の工程が遅れてスタッフが手持ちぶさたな状態になる「手待ち」、作業と作業の間に空き時間ができる「手すき」、いったん進んだ工程を後戻りさせる「手戻り」、予定どおりの製品がつくれず修正する「手直し」といったムダを極限まで減らすための工夫をするのです。

こうした考え方を取り入れることは、医療現場にも必要だと私は考えています。旧来の手順に含まれていたムリ・ムダ・ムラを減らすことで、診察を効率化し、時間短縮につなげるのです。

古いやり方を無批判に受け入れず、より良い方法はないかと常に模索しましょう。そうして効率化が図れれば、クリニックの経営に寄与するだけでなく、スタッフのムダな動きが減って働きやすい職場がつくれたり、患者の待ち時間が減って満足度が高まったりするなどのプラスをもたらします。

電子カルテには、検索性の高さ、情報共有の容易さ、場所を取るカルテ棚が廃止できるなどたくさんのメリットがあります。一方、局面によっては、電子カルテより紙カルテのほうが優れていることも多いのです。

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