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「お前なんか、殺してやってもいいんだぞ」…少女が育った家庭の実情

幻冬舎ゴールドライフオンライン

毒親の支配に苛まれる清美は、ある日見えない友人と出会う。彼女は自らの幸せを手繰り寄せることができるのか。絶望の中で藻掻く青少年に贈る、精神的自立と安寧のための物語。※本記事は、深山れいこ氏の小説『瞑想物語 若竹の日々』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

毒母

清美が家に入ると、母・道子が茶の間でぶよぶよと膨らんだ体を横たえ、くつろいでいた。

髪は起き抜けのまま逆立っているし、化粧も施されていない。道子が髪を整え、化粧をするのは何処かへ出かけるときだけで、夫・栄介に申し訳ないなどと思ったことのない女である。

清美が事情を説明し始めると、それには耳を貸さず、「あら、泥だらけじゃないの」と道子は金切り声で清美を咎とがめ始めた。

「本当にドジな子ね。よくもまあそんな格好で帰って来られたものね。ああ、恥ずかしい。情けないったらないわ!自分で洗いなさいよ。ああ、嫌だわ!」

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道子の清美への叱責は何時までも続く。清美は、しばらくうなだれて突っ立ちながら、金切り声に耐えていたが

「早く着替えて、洗いなさい!」

という道子の声に飛び跳ねるようにして、2階に上がって着替えを始めた。

そして、泥で濡れた制服からやっと解放されて、ほっとしながらも溜息をついた。

(この家の辞書には“同情”という文字はないのよね)

清美は汚れた制服を洗った。幸い、制服には多くの化繊が含まれていたので容易に洗うことが出来、ほっとした。

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