「うーん………。こういった試合に勝てないと次には進めないので…、悔しいけれど………。自分自身も、いい流れだったのに、出たときに自分の所でやられてしまったりとか、そういったところがあったので…」
試合後、ミックスゾーンで試合を振り返る馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)の頬に大粒の涙が伝った。
9月26日、「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022」は大会5日目となり、日本はフランスと対戦。2勝1敗のフランスに対して、日本は1勝2敗のため、絶対に負けられない試合であった。
しかし、結果は53−67で敗退。試合は髙田真希(デンソーアイリス)の得点で始まったものの、序盤からフランスに先行を許すと、第1クォーターはわずか5得点。ビハインドで迎えた第2クォーターでは、髙田、宮﨑早織(ENEOSサンフラワーズ)らが猛追し、フランスを捉えたが、第4クォーターでは約8分間無得点だったことも響き、フランスに引き離されてしまった。
「(3戦目のカナダに)負けたあと、選手たちで『自分たちらしいプレーを出そう』『しっかりと声を掛けていこう』という話をしました。今日はウォーミングアップからみんな声を出していたし、気持ちを入れてやっていたので、こういった結果になってしまい残念です」と、馬瓜は敗戦という結果に大きく肩を落とした。
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日本と同じく、東京オリンピックから指揮官が変わったフランスは、今、チーム作りを行なっている最中。その中でエースを務めるのが、今シーズンのWNBAではシアトル・ストームでプレーしたギャビー・ウィリアムズだ。今大会でも初戦のオーストラリア戦では23得点を奪い、チームを勝利に導いている。
そのウィリアムズへのマークを任された一人が馬瓜で、スタートで出ていた赤穂ひまわり(デンソー)とともに交代をしながら、相手エースに対して執ような動きを見せた。
「ドライブにくるところなどは(事前に)言われていました。それに自分自身、相手が格上というのは分かっていたので、自分のできることを全部やっても足りないぐらいだと思っていました。でも、ヒマ(赤穂)もいるし、周りの選手もいるから、全員で守ろうと。それだけど、イージーに得点されてしまったところがまだあったので、そこは学ぶところかなと思います」と、馬瓜はウィリアムズとのマッチアップの感想を語った。
マッチアップについては、反省の言葉が多く聞かれたが、ワールドカップに出場したからこそ経験したWNBA選手との戦いには、「これが本当に世界で戦っている選手なんだなと実感したので、こういった場で戦うことができたことは良かったです」と、コメントした。
また、本人が語っていたように、フランス戦では、ウォーミングアップから、選手全員が声を出し、良い雰囲気を作り出していた。もちろん、「自チームにいるときと変わらず、そこは自分の良い所だと思っているので、みんなを鼓舞して、声掛けできるようにと意識していました」という馬瓜も、率先してチームを盛り上げた。
明日(27日)のオーストラリア戦は、グループフェーズ最終試合。フランス戦直後は、決勝トーナメント進出の可能性も秘めていた中、馬瓜はオーストラリア戦に向けた思いを力強く語ってくれた。