top_line

インストール不要ですぐ遊べる!
無料ゲームはここからプレイ

『スターフォックスアドベンチャー』発売20周年 シリーズでも異色の“恐竜アドベンチャー”を振り返る

Real Sound

 また、謎解き要素も魅力的だ。本作では、「クリスタルスタッフ」から繰り出す魔法が、『ゼルダの伝説』でいうところのダンジョンアイテムに相当する。クリスタルスタッフから火の玉を撃ち出して燭台に火を灯すといった謎解きは、いかにも『ゼルダ』を彷彿とさせるシステムだ。それに加え、本作ではフォックスの相棒となる恐竜「トリッキー」と協力して謎解きをするシーンもある。トリッキーに地面を掘らせたり、床にあるスイッチを押させたりといった要素は本作ならではのもので、『ゼルダ』に慣れ親しんだ人にも新鮮に映るだろう。

 さらに、クリスタルスタッフによる戦闘も面白い。クリスタルスタッフは、方向スティックの入力によってさまざまなコンボを繰り出すことができる。その中には、杖による打撃と魔法を組み合わせたようなコンボもあり、多彩な戦闘が楽しめる。

 登場キャラクターたちもじつに魅力的だ。フォックスの相棒となるいたずら好きの恐竜「トリッキー」は可愛らしく、プレイヤーにとっても愛着が湧きやすいキャラクターだ。その他にも、手土産を持っていかないと喋ってもくれないものの意外と優しいところもある「ワープ魔人」、値段交渉ができるものの、しつこく値切ると冷たい態度を取ってくる商人「シャブンガ」など、印象的なキャラクターが多い。

〈いまいち評価しづらい要素も〉

 本作は『ゼルダの伝説』ライクのゲームとしての完成度が高い一方、評価を下げてしまう残念な要素も少なくない。

広告の後にも続きます

 たとえば、先述したクリスタルスタッフによる近接戦闘ではさまざまなコンボを繰り出すことができるが、これについて本編中には一切の解説がない。しかし、スティック入力をせずAボタンの連打だけで攻撃していた場合、大半の敵に攻撃を防がれてしまう。そのため、攻略情報などを見ない限り、プレイヤーは手探りでクリスタルスタッフの使い方を覚えていく必要があった。

 また、終盤の展開がかなり唐突で説明不足であるために、プレイヤーが置いてけぼりになってしまうのも残念な点だ。しかも、それまでクリスタルスタッフで戦っていたにもかかわらず、ラスボスはアーフィンによるシューティングを行うことになるなど、ちぐはぐとした印象は否めない。

 とはいえ、美しいグラフィックと変化に富んだロケーション、トリッキーと協力して挑む謎解きなど、いまでも時折遊びたくなるような魅力が詰まったタイトルでもある。『スターフォックス』シリーズの一つとして捉えればあまりに異質な作品ではあるが、『ゼルダ』フォロワーのタイトルとして遊ぶのであれば、『スターフォックスアドベンチャー』は良作といえるのではないだろうか。(坂田憲亮)

  • 1
  • 2
 
   

ランキング

ジャンル