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岩手県営野球場が高校野球公式戦ラストゲーム。野球場長が最も印象深いのは佐々木朗希の160キロ

週刊ベースボールONLINE

52年の歴史に幕



岩手県営野球場は来年3月で閉鎖。今秋の県大会が、公式戦での使用は最後だった。9月26日、花巻東高が専大北上高との決勝を下して優勝し、その幕を閉じた

 1970年に開場した岩手県営野球場(盛岡市)は、来年3月に閉鎖される。この秋が、高校野球の公式戦で使用されるのは最後。9月26日、花巻東高が専大北上高との決勝を13対3で下して優勝した。花巻東高・菊池雄星(ブルージェイズ)、花巻東高・大谷翔平(エンゼルス)、大船渡高・佐々木朗希(ロッテ)ら、岩手県の高校球児が激闘を繰り広げてきた歴史ある聖地が、52年の幕を閉じた。

 閉会式を終え、じっとグラウンドを見つめたのは、野球場長の菊池修一さんである。

「ちょっと、寂しい気がします。52年ですからね……。(使用を)続けていければいいかな、とも思っていましたが……。もう、使えないわけでもありませんが、来年4月には新球場(いわて盛岡ボールパーク)が完成します。県の判断ですから、致し方ないと思います」


1970年開場。球場入口の看板にも趣がある

 2019年から同職を務め、最も思い出に残っているシーンは、同夏の岩手大会(7月21日)だ。大船渡高・佐々木朗希が盛岡四高との4回戦で160キロを計測した1球である。

「3月の高校日本代表の合宿で163キロを出していて実際、どんな素晴らしい投手なんだろう? と期待して見ていたんですが、目の前で160キロをマーク。センターの電光板に表示されたのを見た瞬間が、印象深いですね。これは、本物だ! と」

 菊池さんは中学時代に野球経験があり、常に懸命にプレーする高校球児に寄り添ってきた。

「子どもたちは日ごろから一生懸命、練習をしている。試合でその成果を発揮するために、全力プレーしている姿は、素晴らしかったです。本当に野球が好きなんだな、と」


プロ野球の最後の開催は今年の6月22日の楽天対日本ハムだった。一塁側の控室の分電盤の金属扉には、楽天の選手による寄せ書きがある

 プロ野球の最後の公式戦開催となった6月22日には、楽天の選手たちが、控室の分電盤の金属扉に寄せ書きをした。「感謝」を込めた多くのメッセージが残されている。

「優勝という形で終われて良かった」


 高校野球ラストゲームとなったこの日、花巻東高・佐々木洋監督の長男・麟太郎内野手(2年)が2打席連続アーチ。高校通算90号とした主将は、同球場の思い出をこう語る。

「小さいころから足を運んで、花巻東の試合を見ていましたし、先輩のプレーを見て、ここでやりたい、と。この岩手県営球場で実際に試合ができて幸せでしたし、感謝しています。最後、優勝という形で終われて良かったです」

 佐々木監督もしみじみと語った。

「最後の県営での試合でしたので、1本打ってくれればいいな、と思っていました。この球場で最後、ホームランが打てたのは良かったと思います」

 誰からも愛された岩手県営野球場が、半世紀にわたる役目を終えた。試合に携わった関係者、選手、ファン。永遠に記憶に刻まれる。

写真=矢野寿明
 
   

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