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高橋幸宏50周年の出発点に「レコーディング時間ごまかし」事件/日本音楽シーン「名作裏面史」

アサ芸プラス

 元YMOのメンバーでドラマーの高橋幸宏が9月21日、活動50周年を記念した書籍「LOVE TOGETHER YUKIHIRO TAKAHASHI 50th Anniversary」を出版した。

 発売に先駆け、9月18日にはNHKホールで、大貫妙子、小山田圭吾、鈴木慶一、林立夫、細野晴臣といった重鎮をゲストに迎えた「高橋幸宏 50周年記念ライヴLOVE TOGETHER愛こそすべて」を開催。日本のロックの礎を築いたミュージシャンによる夢の競演に、会場が大きな熱気に包まれた。

 そんな高橋の出発点となったのは、72年に結成されたスーパーグループ、サディスティック・ミカ・バンドだった。

 ビートルズのポール・マッカートニーがリンダ夫人と結成したウイングス、ジョン・レノンがオノ・ヨーコと作ったプラスティック・オノ・バンドに触発された元ザ・フォーク・クルセダーズの加藤和彦が、ミュージシャンではないものの、個性あるシンボリック的存在として、妻のミカをヴォーカルに起用。高中正義(g)、小原礼(b)、つのだ☆ひろ(ds、途中から高橋にスイッチ)というメンバーで、73年5月にアルバム「サディスティック・ミカ・バンド」を発表した。

 2枚目のアルバムは翌74年11月、イギリスと同時発売されたことで、大きな評価を受ける。逆輸入という形で、日本でも大きなセールスを記録し、世界に日本のロックを飛躍させた記念碑的名盤。それが「黒船」だった。

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 ひとつのテーマを元にストーリー的な楽曲を収めた、当時としては珍しいコンセプト・アルバム。アナログ盤には「レコーディング300時間」との宣伝文句が明記されているが、実際にレコーディングに費やされたのは600時間で、費用オーバーが会社にバレるとまずい、と焦ったスタッフが、レコーディング時間を帯に短く表記した、という逸話も残されている。

「日本から世界へ、世界から日本へ」という「逆輸入発想」の中で制作されたこともあり、様々な効果音が挿入されるなど、実験的な取り組みが随所に見られた。

 同年10月に先行発売されたシングル「タイムマシンにおねがい」が日本でも大ヒット。その後、ミカ・バンドは渡英し、数週間のライブツアーを行うことになる。

 バンドは75年に解散するものの、89年には桐島かれん、06年には木村カエラをヴォーカリストに迎えて再結成。「タイムマシンにおねがい」は今もなお、輝きを失うことのない名曲として歌い継がれている。

(山川敦司)

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