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障害者になってから「お金の心配しかなかった」 手足3本失った僕、社会復帰まで2年間の金銭事情

J-CASTニュース

一方、ゼロから生活を始めるために、家具や家電も揃えないといけませんでした。その時に助けてくれたのは、多くの友達です。使わなくなった洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器など、必要な物は大体譲ってもらいました。自分で買ったのはベッドとテレビ。それ以外はほぼ、もらい物で生活を始めることができました。

幸いなことに、引っ越し代も当時の就職先の会社が負担してくれました。30万円くらいかかったと思います。それも本当にありがたかったです。

車いすは、国や自治体からお金が出る補装具費支給制度を活用し、自己負担は数万円程度で済みました。現在、車いすは6年くらいで交換するのが通常ですが、僕は自宅内でしか使わないし、体型の大きな変化もないので、22歳の時に買ったものを31歳の今も使っています。

外出時に使う義足と義手も、同様の制度で買っています。自己負担は4万円強くらいでした。最初の義足と義手の費用は両親にお願いして出してもらい、就職して1人暮らしを始めてからは、交換の必要などが生じたら自分で払っています。

僕は人や環境に恵まれている

両親に出してもらったお金の全額を返すことはできていません。親はお金の話をしなかったのですが、僕に金銭面の心配をさせないようにしたのかもしれません。でも自分で調べると、入院1日でどれくらい必要かということも何となく分かるし、他にもいろんなお金がかかった。以前この連載で話しましたが、僕は障害年金も受給できていません。そのことも含めてお金の負担をかけたことを考えると「本当に親不孝だな」と思います。

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僕としては親に同じ額のお金を返すというより、自分がこの体でこれ以上心配をかけず、自立して何でもできる姿を見せ続けたいと思っています。それが、育ててくれた20年間と手足3本を失って苦労をかけてしまったことへの恩返しだと思って、全力で生きています。

僕は人や環境に恵まれています。家族や友達、会社や各種制度。お金の面で考えると、救いの手を差し伸べてくれる人たちや仕組みがあったおかげで、事故からの2年間を過ごすことができました。そして社会復帰のスタートラインに立つことができたし、今の僕があります。そのことを忘れてはいけないと思っています。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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