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窪田正孝が語る、妻・水川あさみ監督への感謝 映画の世界への思いと「1番は誰とやるか」

Real Sound

窪田:相手の気持ちを知ろう、観察しようと思ったら、そこに意識が集中します。映画館の真っ暗な中で、スクリーンで音だけを頼りに観ると、人は情報を探そうと脳が動き始める。個人的には、その意識を自分自身に向けてほしいなと思って。この作品がそのきっかけになればと思いました。人が考えていることなんて2秒に1回変わるし、それぐらい脳は思考をやめないで動き続けているから。それをふと緩めてあげられたり、人や自分に優しくなれたり、そんな作品にできたらと考えていました。

■「興味を失いたくない」

――水川さんの監督デビュー作として本作をご覧になられたときの率直な感想を教えてください。

窪田:「今までしたことがない顔をしていたのかも」とちょっと思いました。だから、あまり芝居をした記憶がないというぐらい、あの男が自分のすごく近くにいた感覚があって。それを切り取って15分に収めて、この『おとこのことを』という作品を、9作あるショートフィルムの中の1つの作品として残せることは、僕らにとってすごく価値のあることでした。音の入れるタイミングを「どう思う?」って相談しあったり、ポスター1つにしても候補が2~3パターンあった中で、「これじゃないかな?」と2人で選んだり、水川が監督としてすごく頑張ったその成果が映像に出ていたなと思います。以前一緒に仕事をしたスタッフさんたちが、二つ返事で「いいよ」とスケジュールを空けて、予算も少ない中で尽力してくれて。本当に感謝でしかないです。何かのタイミングでお返しできたらと思うし、また純粋に会いたいと思えるくらい、スタッフの皆さんが素晴らしい現場でした。呼んでくれた水川監督に感謝です。

――本作をきっかけに、窪田さん自身にも監督への興味は芽生えましたか?

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窪田:機会があればとは思いますけど、美術や衣装など、僕に決める力があるのかなと(笑)。決めるとなるとその分責任が生じるし、誰のせいにするつもりもないけど、いろいろ重圧がかかるじゃないですか。もうちょっと余裕ができたときにやってみたいなとは思います。

――一昨年が朝ドラ『エール』(NHK総合)、昨年は月9ドラマ『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート』(フジテレビ系)ときて、今年も本作の他に『決戦は日曜日』『劇場版 ラジエーションハウス』『マイ・ブロークン・マリコ』『ある男』など出演作が多く公開されますが、30代に入られて、今役者として考えていることはありますか?

窪田:やったことのない人とやってみたいというのはあります。それと、やはり映画が好きなので、今は映画の世界にいたい。最近は配信コンテンツも多くなってきていて、実際に僕自身も観るようになっていたり、目まぐるしく業界も変わってきているので、様々な挑戦をしてみたいなと思います。でも、1番は誰とやるかということが大きいかもしれないです。

――新しいことへの興味が膨らんでいると。

窪田:そうですね。そういう興味を失いたくないです。歳を重ねると、人に何も言われなくなるじゃないですか。僕は言ってくれる人が側にいるからすごく幸せです。時々ちょっとうるさいなぁとか思ったりもするんですけど(笑)。でもそうやって、どんどん吸収して、毛嫌いせずやっていきたい。学びたいとか楽しみたいという気持ちに、あぐらをかきたくないから。そこはずっと止めずにいたいです。

――窪田さんにとって本作はどのようなものになりましたか?

窪田:また1つ形の違う新しい映画に参加できて、今までの既成概念みたいなものがすごくなくなった気がしています。その概念を壊してもらったことによって、いろいろなものが入ってきました。そういう意味でこの作品は、大きな一歩になりました。時間が経てば経つほど、僕たちにとって、より大事なものになっていくのは間違いないと思いますし、振り返ったときに、1つの大きな分岐点ととらえることができるような作品に、これからもなっていくんじゃないかなと思います。

(取材・文=大和田茉椰)

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