top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

土星の衛星「エンケラドゥス」に生命存在の可能性高まる。海に豊富なリン

カラパイア


 土星の衛星「エンケラドゥス(エンケラドス)」を包む氷の下には、液体の海が存在する。

 新たなモデル研究によると、その海の中には生命にとって不可欠な素材である「リン」が豊富に含まれているだろうことが明らかになったそうだ。

 この研究は、NASAの探査機「カッシーニ」が分析した、エンケラドスの氷の下から噴出する水蒸気のデータに基づくもの。

 その結果によれば、水蒸気の中には生命が必要とする基本的な素材がすべて揃っていると考えられるという。

 アメリカ、サウスウェスト研究所の地球外海洋学者クリストファー・グライン博士は、「エンケラドスは、太陽系内で地球外生命が発見される可能性がある最有力候補」と語る。

太陽系には液体の海が存在する天体が多く存在する

 過去25年、この太陽系に関するもっとも深淵な発見の1つは、液体の海がじつはありふれたものだったということだ。

 エンケラドスはもちろん、タイタン、エウロパ、さらに遠方にある冥王星にすら、その氷の下には液体の海がたたえられていると考えられている。

 地球のような地表の海が存在するための条件は厳しい。液体の海が存在できる太陽との距離が、ごくごく狭い範囲に限られているからだ。

 ところが、天体の内部(内部海)ならば、距離の条件はそれほど厳しくないと考えられている。

 これが正しければ、この宇宙における生命が存在可能な惑星(ハビタブル惑星)の数は、グンッと増えることになる。

photo by Pixabay

エンケラドスには生命に不可欠な素材がすべて揃っている

 土星の衛星エンケラドスは、それを包む氷の裂け目から時折、水蒸気が噴き出ることが知られている。これは以前、探査機カッシーニによって直接観測された。

 クライン博士らはこうした観測データに基づいて、詳細な熱力学・動力学モデルを構築し、エンケラドス内部海の海底でミネラルが溶ける様子をシミュレーションした。

 それによると、「リン」はエンケラドスの海に非常によく溶けるため、地球の海か、それ以上の溶存リンが存在するだろうと考えられるという。

 宇宙生物学的には、エンケラドスの海に生命が存在する可能性が一気に高まったことになる。

最新の研究では、エンケラドスの内部海にはリンが豊富に存在する可能性が高いことが判明した/Credit: Southwest Research Institute

リンは生命に不可欠な素材

 リンは地球上のあらゆる生物にとって必要不可欠な素材だ。リンは地球上で11 番目に豊富な元素だが、人間のでは6 番目に豊富な元素である。人間だけでなく、あらゆる動植物に必要な素材だ。

 DNAとRNA、エネルギーを運ぶ分子、細胞膜、骨、歯といった物質はこれがなければ作れない。
太陽系内での地球外生命捜索では、注目ポイントが以前とは変わってきました。

有機分子・アンモニア・硫黄化合物・生命維持に必要な化学エネルギーなど、生命の構成要素が探されるようになっています
と、クライン博士は話す。
かつてエンケラドスの海にはリンが少なく、生命が生存する見込みは低いとされていたので、それが見つかったのは興味深いことです
 次のステップは、再びエンケラドスに探査機を送り、その内部海に実際に生命が存在できるのかどうか調べることであるそうだ。

 この研究は『PNAS』(2022年9月19日付)に掲載された。

References:Researcher helps identify new evidence for habitability in ocean of Saturn’s moon Enceladus / written by hiroching / edited by / parumo

TOPICS

ランキング(動画)

ジャンル