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【W杯対戦国紹介】大当たりはないが、大崩れもしない手堅いバスケのカナダ…東京五輪後に大改革を断行

バスケットボールキング

◆■今年2度目の対戦。2月は延長の末に日本が勝利

 FIBA女子ワールドカップはグループラウンドの後半戦に入る。ここから日本代表はFIBAランキングの上位チームと3連戦を行う。25日に対戦するのはFIBAランキング4位のカナダ。国際大会ではベスト4以上に躍進することはないが、大きく落ちることもなく、ランキングを安定させている手堅いチームである。

 その手堅いカナダも昨年の東京オリンピックでは3大会ぶりに決勝トーナメントに進出できず、改革の時を迎えている。これまで長く続いたアリソン・マクニール(2002~2012)とリサ・トマイディス(2013~2021)という2人の女性指揮官時代を終え、今年2月のワールドカップ予選よりコーチングスタッフを一新。新しくヘッドコーチに就任したのはスペイン人のビクトル・ラペーニャ。2012、2014年にU17ワールドカップで女子スペイン代表を銀メダルへ導き、2014年ワールドカップと2016年リオデジャネイロ・オリンピックでは前スペイン代表のルーカス・モンデーロHC(前トヨタ自動車アンテロープスHC)の下でアシスタントコーチを務め、どちらの大会も銀メダル獲得に貢献した人物だ。

 アシスタントコーチには2021年よりシアトル・ストームでヘッドコーチを務めているノエル・クインが就任。現役時代、2016~17年には渡嘉敷来夢とシアトルでチームメートであり、2018年にはシアトルで優勝した経験を持つコーチだ。
 
 選手の世代交代も進めている。東京オリンピックでカナダ選手団の旗手を務めたミランダ・アイムが引退。キム・ゴーシュやナヨ・レインコック・エクンウェらのベテラン勢も代表から退き、今大会は大学生3名が名を連ねている。その中の一人は、サウスカロライナ大で今年のNCAAトーナメントで優勝を果たした#15レティシア・アミヘレ(186センチ/21歳)。東京オリンピックにも出場した逸材で、将来の主軸になるべく経験を積ませているところだ。

 コーチングスタッフの入れ替え、選手の若返りなどの大改革を進めているカナダだが、その第一歩となったのが今年2月に大阪で開催されたワールドカップ予選である。そこで日本と対戦し、延長の末に79−86で敗れた。

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◆■エースのキア・ナースが復活したが要注意はガードコンビ

 今年2度目の対戦となるカナダ。2月の対戦時より変わった点はエースの#5 キア・ナース(182センチ/26歳)が膝の負傷から復帰したことだ。これにより、ミドルレンジのプレーが持ち味の#11ナタリー・アチョンワ(191センチ/29歳)、シューターの#6ブリジット・カールトン(185センチ/25歳)ら3人のWNBAプレーヤーが揃い、新生カナダの主軸となるだろう。だが、この3人はここまでの2試合ではそこまで目立つ働きはしておらず、特にナースは復帰したばかりなので、徐々に調子を上げていっているところである。セルビアとフランスとの2試合での勝利の立役者は脇を固める個性派たちだ。

 特にインパクトを残しているのがガード陣。#13シェイ・コリー(176センチ/26歳)と#21ニラ・フィールズ(176センチ/28歳)。ともに突破力を生かして得点とアシストを重ね、インサイドでは#14ケイラ・アレクサンダー(193センチ/31歳)がリバウンドと得点で奮闘している。特に、フィールズは大阪の対戦でも手を焼いた相手であるだけに、覚えている人も多いことだろう。

 カナダの特長としては何といってもセルビアを60点、フランスを45点に抑えている体を張ったフィジカルなディフェンスだ。2月の対戦時に恩塚ヘッドコーチが「カナダと対戦すると(ゲーム展開が)重くなりがちなので注意したい」と言っていたように、相手の良さを消すディフェンスで40分間にわたってねじ伏せていくのがカナダのスタイルである。そして注意したいのが、大当たりもしないが、大崩れもしないカナダにあって、唯一、爆発する要素となりそうなのが、カールトンとナースのアウトサイドが当たることだ。今のところはまだ静かであるだけに、このキープレーヤーたちを起こさないことが重要だ。我慢の粘り合戦を制することがカギとなる。

文=小永吉陽子

 
   

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