top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

オオカミには人間に愛着を示す本能が備わっていることが明らかに

カラパイア


「犬は人間の最良の友」というように、私たち人間と犬は堅い絆で結ばれている。だが、もしかしたらその絆は既にオオカミがもっていたのかもしれない。

 最新の研究によると、オオカミが人間に対して親しさを表現する「愛着行動」が備わっていることが明らかになった。

 このことは、人間と絆を築くために必要な能力が、1万5000年前に家畜化され「犬」となる以前から、すでにオオカミに備わっていたことになる。

 この研究は『Ecology and Evolution』(2022年9月20日付)に掲載された。

犬が親しい人間に愛着行動を示すのはなぜなのか?

 「愛着行動」とは心理学や進化学の用語で、親密さを表現しようとする行動のことだ。

 人間の子供は1人では生きられないので、親(あるいは養育者)と親密な関係を維持しなければならない。幼い子供が微笑んだり、そばに寄って来るのは「愛着行動」によるものだ。

 最初はこうした行動は誰にでも示されるが、次第に子供はよく知っている人と見知らぬ人を区別するようになり、親に対してだけ愛着行動を見せるようになる。

 そして犬もまた、自分を育ててくれる人間に対して愛着行動を見せることが知られている。

 これまで犬の愛着行動は、オオカミが家畜化され犬となり、人間と共に暮らすことで発達したものと推測されていた。

 そこでスウェーデン、ストックホルム大学の動物行動学者クリスティーナ・ハンセン=ウィート博士は、それが本当かどうか確かめてみることにしたのだ。

photo by Unsplash

オオカミの子と犬の子の人間に対する行動を比較

 今回の研究でハンセン=ウィート博士らは、生後10日から育てたオオカミ(10頭)と犬(12頭)の子を対象に、さまざまな実験を行い、家畜化によって両者の行動にどのような変化が起きたのか探っている。

 実験はたとえば、飼い主と見知らぬ人に交互に部屋に出入りしてもらうというものだ。

 子犬なら飼い主と一緒にいれば安心するし、見知らぬ人と二人きりになれば不安になる。

 だから飼い主が部屋から出て行こうとすればついて行こうとするだろうし、部屋に戻ってくればまとわりつくなど、愛着行動を見せることだろう。

 ではオオカミの子供はどうだろう。 子犬のように飼い主と見知らぬ他人を区別して、飼い主ほど長くまとわりつこうとするだろうか?

オオカミにも親しい人間に愛着行動があった!

 今回の実験で、まさにそのような行動が確認された。オオカミの子も、犬の子同様、飼育者に対して愛着行動を見せたのだ。

 ハンセン=ウィート博士は、「オオカミも犬と同じように、見知らぬ人より親しい人を好んでいることが明らかでした」と語る。

 だが、それ以上に興味深いことがあった。

 それは犬の場合、実験室にいても普段と変わりなかったのに、オオカミは環境に影響され、ソワソワと歩き回っていたことだ。

 ところが飼い主が入室すると、それがぴたりとおさまったのだ。これは飼い主がいることで、オオカミのストレスが緩和されたことを示している。

 ハンセン=ウィート博士によれば、オオカミのこうした行動が観察されたのは世界初であるとのこと。これはオオカミが人間と強い絆を結べるという裏付けであるという。

飼育者と親しい関係を築いた子オオカミのビョーク / image credit:Christina Hansen Wheat

犬と人間の絆は、すでにオオカミ時代からあった

 こうしたオオカミと犬の類似点からは、犬の愛着行動の起源をうかがうことができる。

 つまり、子オオカミが愛着行動を示したということは、この行動が犬で発達したわけではなく、犬になる前のオオカミの時代にすでにあったということだ。

 ハンセン=ウィート博士によれば、これはオオカミの歴史を物語る上で重要なことであるという。なぜなら、人間に愛着を示すオオカミは、人間からパートナー(家畜)として選ばれやすかったと考えられるからだ。

 数ある動物の中からオオカミが選ばれ、犬として人間と歩み出したのは実は必然だったのかもしれない。

 ハンセン・ウィート博士は、今後もさらにオオカミと犬の共通点と相違点を詳しく探っていく予定であるとのことだ。

References:Scientists find that wolves can show attachment toward humans / written by hiroching / edited by / parumo

TOPICS

ランキング(動画)

ジャンル